深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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中北徹『国際経済学入門』
国際経済学入門―21世紀の貿易と日本経済をよむ (ちくま新書)国際経済学入門―21世紀の貿易と日本経済をよむ (ちくま新書)
(1996/09)
中北 徹

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 問題は、社会資本の整備を行う場合、その担い手が政府であるべきか、それとも、できるだけ民間が主体となって事業を推進するべきかである。顧みれば一九八〇年代前半は、当分資本の整備・充実を行って、高齢化社会の到来にそなえるべきであった。作り出される財政赤字が当時の経常黒字を縮小して余りあるという政策を遂行することは歴史的な好機であり大転換を意味していたであろう。しかし、今ではこの機会は失われ、バブル崩壊とそれによる財政赤字の巨大化によってその道は封じられている。
 しかし、この政策を実施するにあたっては何がこの社会にとって優先する課題であるかを明確にして財政支出の見直しを徹底的に進めることである。言いかえれば、高齢化社会へのインフラ時整備が緊急かつ優先する課題である以上、どこに財政が手厚い手当てを与えるべきかの議論が必要だ。たとえ現在の既得権を剥奪することになってもそれはやむをえないとする合意が必要である。

中北徹『国際経済学入門』


 最近の経済状況のこともあって、国際経済に興味があり読んでみた。

 比較優位やヘクシャ・オリーンの定理などの基礎理論的な説明はほとんどなく、主に日本の経済を分析しながら、国際収支や為替などにかかわる問題を説明していく。

 そういった意味では、入門という割にはある程度の予備知識が必要になる。しかし数式などもほとんど出てこず読みやすいし、面白く読むことができた。

 キーワードは市場化と規制緩和で、個々のトピックでも結局はそれを推し進める政策こそ国民に利益をもたらすという立場で議論が行われている。
 幼稚産業の成長のためには保護貿易もやむをえないとする考え方の問題点や、家計と違い経常収支の黒字が単純によいものではないということが指摘されていておもしろい。

 規制緩和というと弱者を切り捨てていくようなイメージがあるけれど、引用した部分では高齢化社会に対応すべきと書かれていて意外だった。

 このあたりは出版から十年以上たっている今も改善されているかわからない。政府がリーダーシップを発揮して利害調整をしっかりして欲しいもの。
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