深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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山本七平『日本はなぜ敗れるのか』
日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21) (角川oneテーマ21)日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21) (角川oneテーマ21)
(2004/03/10)
山本 七平

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 だがこの状態は、何も戦前の日本だけの特徴ではない。戦後もさまざまな「合理的」な組織体制を輸入した。そしてそれらは全く同じ形をとっている。自分で憲法をつくったものは、自分で改定できる。しかし輸入してこれを「権威」としたものは改定できない。同時に、「輸入よりきびしくしていればよい」であり、また、自分の方がきびしいから自分の方が本物の「民主主義」だ、である。だがその国家組織の末端は、市民の日常の常識とも気質とも必ずしも合致せず、従って、常識で国政の運営を見ていれば、政治家は全て、過去の軍人の如くに非常識な存在に見えてくる。

山本七平『なぜ日本は敗れるのか』


 本書は、第二次世界大戦を振り返りながら日本が敗れた理由、抱える問題点を考えていくもの。

 著者は、戦時中技術者としてフィリピンに赴き捕虜となった小松真一さんの「虜人日記」という記録をベースに議論を進めていく。副題の「敗因二十一カ条」も小松さんが挙げたもの。

「虜人日記」は米軍の捕虜となっていた時期に乏しい資材の中で書き綴られたもの。著者はこの記録を同地性と同時性、そして読者に働きかけるものでないという点から、最も事実に即した記録だとする。
 自らの文化や思想を意識的に把握していないため極限状態で自らを律することができないこと、責任をとろうとしない、長期的な戦略の欠如、個人が自由に発言する社会になっていないこと……。

 執筆当時は戦後30年ほどだったようだけれど、その倍経過した今の時点でもあんまり変わってないなと思って、暗澹としてしまう。

「『空気』の研究」でも展開された日本社会論だが、挙げられている事例が致命的な失敗ばかりなので、やるせない。

 何より恐ろしいのは、自分自身もこういった極限状況に身を置けば、品性も何もなくなってしまうだろうということ。その姿がちらついて正視に耐えない部分が多かった。
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