深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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吉本隆明『ひきこもれ』
ひきこもれ―ひとりの時間をもつということ (だいわ文庫)ひきこもれ―ひとりの時間をもつということ (だいわ文庫)
(2006/12/10)
吉本 隆明

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 ひきこもりの傾向のある人は、暗いとか話が盛り上がらないとか、あいつと一緒にいても気心が知れなくて面白くないとか、そんなことを言われているかもしれません。もし、それがコンプレックスになっている人がいたとしたら、それは決して悪いことなのではないのだということを覚えておいてください。
 あなたは、明るく社交的ではないかわりに、考えること、感じて自分で内密にふくらませることに関しては、人より余計にやっているのです。それは、毎日毎日、価値を生んでいるということなのです。

吉本隆明『ひきこもれ』


『喪男の哲学史』などでも触れられていて著者には関心があったのだけれど、タイトルに惹かれて読んでみた。

 著者については少し前に『親鸞 決定版』も手にとってみて面白い部分もあったのは確かだが、親鸞についての知識があまりなく、よくわからなかったのが正直なところ。

 しかし本書は同じ著者ながらかなり読みやすく書かれていて、一時間もあれば読み終わることができると思う。

 ひきこもりを何とか外に出さねばというのが常識だが、ひきこもり気質の人は昔からいるとし、病気でなければ問題ないという。そして自らもそういった気質の一人と擁護している。
 そして社交的な言葉の世界を意味の世界とし、無意味に見える孤独の時間では価値が増殖されていて、価値が増すためにはまとまった時間が必要なのだという。

 ただし持続性のある仕事に就くことが遅れてしまうのはひきこもりの弱点であるという。一日十分でも何かを続けていけば必ずものになるから、興味のあることを続けていくことを勧めている。

 こういった気質は、母親の胎内にいるときから一歳未満の母親の状態で決まってしまう、若くして自殺する人間は親の代わりに死んでいるのだというのは、なかなか実感できない。

 自然死するには体力がいるから、体を鍛えているというのは、そうかもしれないなあと思わされる。

 ひきこもりは社会にかかわるべきとは思わないが、何らかのビジョンを持っていないと社会が激変したときにあぶないと、自身の戦後体験から語っているところもとてもおもしろかった。
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