深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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P.A. アルバート、A.C. トールマン『はじめての応用行動分析』
はじめての応用行動分析 日本語版はじめての応用行動分析 日本語版
(2004/05)
ポール・A. アルバートアン・C. トルートマン

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 異常と思える行動がどのようにして形成されたのかその経過を追及するのは、このケースに限らず、簡単にはいきませんが、そのような行動が現在の環境状態によって維持されており、環境を変えることで行動が変わるかも知れないと考えることは、単に節約的であるだけでなく、かなり見通しを明るくさせるものです。生徒たちの不適切な行動を維持している環境条件を探し当てて、それを改善しようとする教師ならば、子どもたちが知恵遅れだろうと、脳障害、情緒障害、多動、学習レディネスの未熟だからといって子どもたちのことをあきらめてしまったりはしないでしょう。生徒たちの行動を、ゲルファンドとハートマンやハーセンとベラックが指摘しているように、「説明のための空想話」で説明してしまうより、子どもたちの状態をそのまま、過剰な行動(よく動き回る)が見られる、あるいは何々の能力が欠けている(ほとんど読めない)というように記載すれば、教師はもっと、過剰な行動を抑えて欠けている能力をおぎなうことに焦点を合わせて考えるようになるでしょう。

P.A. アルバート/A.C. トールマン
『はじめての応用行動分析』


 本書は応用行動分析の入門書。かなり大型の本で1ページ二カラムと、本格的なテキストになっている。

 日本版のタイトルはニュートラルなものだけど、原題は "Applied Behavior Analysis for Teachers" と教職につく人を対象にしている。

 ということで実際の教育場面で、行動分析を生かしていく方法を伝えるもの。行動目標の設定やデータの取り方などテクニカルな部分に半分近くが費やされている。
 その点で序盤はやや退屈だった。一般の人が読まれる場合は、第三章と第四章は飛ばしてしまってもいいかもしれないし、『行動分析学入門』といった他の入門書を読むべきかもしれない。

 しかし、後半になると、豊富な事例やストーリーを使って子どもたちの行動変容の取り組みが描かれていくので非常に興味深い。

 特に、行動変容の効果が訓練場面にとどまってしまうという問題や批判が多いのだろうか、訓練が他の場面にも移っていく般化についての記述が多くて参考になった。

 また自分でできる行動の自己管理法についても書かれていて、教育に関係する人ではなくてもおもしろく読めると思う。


 教職に就いている人や子を持つ人が読めば、参考になる面が多いと思われる良書。

 ただ、上では退屈といったけれども、この方法を利用しようとする人は第二章の倫理、第三章の行動目標の設定の仕方、第四章のデータの取り方はしっかりと読むべき。

 倫理面に関してははやはり論争の多い部分なのだろうし、著者たちは正しく方法を使うことを文中で何度も強調している。
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