深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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ウィリアム・ブリッジズ『トランジション』
トランジション―人生の転機トランジション―人生の転機
(1994/11)
ウィリアム ブリッジズ

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 私がこれらの例で転職を強調しているのは、人々がよく「夢を実現する方向に動けないのは、お金や時間の問題があるからだ」というためである。しかし、このような例は、人々が思っているよりはるかに多い。最近まで直線的人生、生涯一つの仕事というイメージが一般に支配的だったので、いかに多くの人が成人期の間に完全なやり直しをするかということが見過ごされてきた。ましてや、そのような転換点から、しばしば重要な業績が生み出されてきたことは、ほとんど知られていない。

ウィリアム・ブリッジズ『トランジション』


 以前、「訳者あとがき」でもその名前が登場する金井壽宏氏の著作を読んだときに勧められていて、気になっていたので読んでみた。残念ながら今は絶版の模様。

 本書は主に成人以降に訪れる人生の転機の特徴や構造を探っていくもの。就職や結婚、出産あるいはもっと見えにくいものなど、きっかけはそれぞれに異なっても、それらには共通する面がある。

 それは何かが終わり、停滞した時期があった後、また何かが始まるという三つの段階を経るということである。

 著者はこの時期の特徴を自身が行っているセミナーの参加者たちの事例やユング、エリクソンの発達段階、文化人類学から語っていく。
 この時期には、それまでのやり方が行き詰まってしまう。私たちのアイデンティティを形づくっている社会や人間との関係を脱ぎ捨てなければならない。

 そして真空地帯ともいうべき空白期間に陥る。そこで新たな方向づけを行って、新しいスタイルをつくっていかなければならない。

 様々な民族がこれを通過儀礼として文化の中に組み込んでいる。いわゆる「死と再生」というプロセスを経るのだという。


 この本ではそれぞれの段階の特徴や空白期間において新しい方向を見つけるためにするとよいことなどが書かれている。

 ただし転機は、それが起こる時期もその内容も人によって異なる。この本を読んでも、転機に具体的な方針が得られるわけではないし、訪れる苦しみが減じるわけではない。

 けれども著者がいうように、現在の社会では、一直線のイメージが強く、人生にやり直しが起こるのだということが軽視されている。

 自らや周囲の人間に転機が訪れたときに、それをうやむやにしてしまわずに、新しいスタイルを探す時期なのだと受け入れていくために、知識を得ておくことは損ではないだろうというのが本書のスタンスなのだろう。
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