深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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モンテーニュ『エセー(1)』
エセー〈1〉 (ワイド版 岩波文庫)エセー〈1〉 (ワイド版 岩波文庫)
(2002/07/16)
ミシェル・エイクム・ド モンテーニュ

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 私は最近、いくらもない余生を平穏と隠遁のうちに送ることにして、できるだけ他のことに心を煩わすまいと決心して自分の家に退いたが、私の精神を、完全な無為のうちに過ごさせ、自分のことだけを考えさせ、自分の中に安住させること以上に、これを大切にする方法はないと思うようになった。これは、今後私の精神が年とともに重みを加え、円熟を増すようになれば、ずっと容易にできるだろうと期待していたことである。しかし、私は、

   無為は常にさ迷う精神を生む、

 とあるように、精神は逆に離れ駒と同じく、自分のこととなると他人のために動くときよりも百倍も多く心を煩わすことを知っている。また、私には妄想や空想の怪物があまりにもたくさんに、次から次と生まれてくるものだから、私は、これらの愚にもつかぬ奇妙さを、あとでゆっくり眺めようと思って記録することをはじめた。時が経てば、私の精神がそのことで自分自身を恥かしく思うだろうと期待しながら。

モンテーニュ『エセー(1)』


 少し前に「枕草子」を読んで、次は西洋の随筆を読んでみようかなということで手にとってみた。

「枕草子」のように感性的な文章ではなく、さまざまなテーマについて、歴史や伝承、見聞や思索を書きとめていったという印象が強い。

 面白くないわけではないが、淡々としているので、一気に通読して楽しめるという類いの本ではないのかもしれない。図書館で借りたのだけれど手許において気ままに読むほうが向いていると思う。
 引用した部分は、「無為について」という章の一節で、著者の執筆の動機が垣間見えて興味深い。「徒然草」と比較されるのもよくわかるほどに、その冒頭の部分と似ている。

 その他にも「衒学について」「子供の教育について」といった章では、蔵書量を誇ることの愚が指摘されていたりして耳が痛い。

 と面白い部分もあるので、のんびりと続きを読んでいきたい。
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