深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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上坂信男ら(全訳注)『枕草子 中』
枕草子〈中〉 (講談社学術文庫)枕草子〈中〉 (講談社学術文庫)
(2001/05)
上坂 信男、

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 五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし。草葉も水もいと青く見えわたりたるに、上はつれなくて草生ひ茂りたるを、長々と縦ざまに行けば、下はえならざりける水の、深くはあらねど、人などの歩むに、走りあがりたる、いとをかし。
 左右にある垣にある、ものゝ枝などの車の屋形などにさし入るを、急ぎてとらへて折らんとするほどに、ふと過ぎてはずれたるこそ、いとくちをしけれ。蓬の、車に押しひしがれたるが、輪のまはりたるに、近ううちかゝりたるもをかし。

『枕草子 中』


 上巻に続いて講談社学術文庫版の「枕草子」中巻。九五段の「御かたがた、君達、上人など」から二一七段の「月のいと明きに」までが収録されている。

 この巻に収録されているのは、著者の辛辣な批判が出ている章段が多かったように思う。また類聚章段も単語を挙げるだけで終わってしまうようなものも多い。

 そういった意味では、この巻は480ページと一番長いものでありながら、始めのうちはあまり楽しめたとはいえなかった。
 しかし後半になってくると俄然面白くなってくる。特に、「宮にはじめて参りたる頃」では、清少納言がまだ出仕したばかりの宮中が描かれ、著者の初々しさが微笑ましい。

 そして上に引用した章段の瑞々しさは素晴らしいと思う。読んでいると、心が浮き立つような感じがする。
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