深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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アイデアのつくり方アイデアのつくり方
ジェームス W.ヤング,竹内 均,今井 茂雄

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 私はこう結論した。つまり、アイデアの作成はフォード車の製造と同じように一定の明確な過程であるということ、アイデアの製造過程も一つの流れ作業であること、その作成に当って私たちの心理は、習得したり制御したりできる操作技術によってはたらくものであること、そして、なんであれ道具を効果的に使う場合と同じように、この技術を修練することがこれを有効に使いこなす秘訣である、ということである。

ジェームス・W・ヤング『アイデアのつくり方』


 いろいろなところでおすすめの本として紹介されている有名な一冊。値段から新書だと思い込んでいたけれど、実際に届いてみると新書サイズではあるもののハードカバーで、何よりその薄さに驚いた。100ページほどしかない。

 降ってわいたアイデアということも多いように、独創的なアイデアというのは何か霊的なものにインスパイアされて産み出されてくるようなイメージがあった。そこには決まったパターンなどはなく、ある日突然現れるような気がする。

 著者はアメリカの広告代理店の役員だった人で、大学でのビジネス・セミナーでアイデアについて話をすることになり、どのようにアイデアを得るかを考察した結果をまとめたものである。
 アイデアを産み出すことを仕事にしている人はアイデアが降ってくるのを待っているわけにはいかないだろう。意識するしないに関わらず、日々アイデアをひねりだそうと骨を折っている人びとに何が起きているのか。この観察によって著者は一つの結論に達した。

 この本の大きなトピックは2つ。ひとつはアイデアの本質・原理に関わるものであり、もうひとつはアイデアが生まれるまでのプロセスを一つのモデルとして描き出すことである。

 著者によれば、新しいアイデアというのは既存の要素の新しい組み合わせにすぎないという。これは創造という言葉から思い浮かぶイメージと異なると思うかもしれない。

 しかし「エウレカ」と叫び走り回ったというアルキメデスの逸話も溢れる風呂水と抱えていた問題の関連性を見つけ出したものといえる。ゼロから生み出されるものなど、存外、存在しないのかもしれない。

 この点は、佐藤信夫の『レトリック感覚』で比喩について事物の新しい関連性を発見することと指摘していることと通じていて、本書で最も興味深い部分だと思う。


 続いて著者はアイデアの生まれるプロセスをモデルとしてまとめている。(1)資料集めの段階、(2)資料を心の中で操作、咀嚼する段階、(3)アイデアの孵化段階。いったん考えることをうっちゃり他のことをするうちに、無意識のうちにアイデアが形になっていく。
そして(4)アイデアを発見する段階が劇的に訪れ、(5)アイデアを具現化していく段階を通してアイデアをものにしていく難しい作業が必要になる。

 著者は自らの商売道具をさらけ出して大丈夫かと何度も言われたというが、実際にこれを知ったからといって次々とアイデアを生み出せるようなものではないと語っている。

 確かにこのモデルを知っていたからといって次々とアイデアが生み出せるようなものではないだろうし、このプロセスに従ったからといっていい結果を生むわけでもない。

 しかし行き詰った時にノイローゼになって、気分転換や休息をとることさえ恐れるほどがんばりすぎてしまいそうなときに一歩退くことができるかもしれない。

 いずれにしても単純な原理・原則にまとめられていて、あっさりと読むことができるので、読んでおいて損はないと思う。
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