深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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横山光輝『水滸伝』
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横山 光輝

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鉄牛
少しは
こりたか

何が
……

お前の
短気が
いつも騒ぎを
起こしてる
んだ!

だがね
俺は
あんな現場を
黙って
見てられる
性格じゃ
ねえ

だから
こんな
所に
いるんだ

横山光輝『水滸伝4 激闘梁山泊軍の巻』


「捨て童子松平忠輝」を読んだついでに、横山光輝の「水滸伝」も読んでみることにした。OVA「ジャイアントロボ 地球が静止する日」に登場するキャラクターのデザインはここからきてるんだなと今さら知った。

 私は残念ながら原作の「水滸伝」は読んだことがなく、中学生のころに吉川英治の「新・水滸伝」を読んだきり。けれど魯智深や林冲、武松、李逵といった好漢の活躍は今でも印象深く残っており、そして潘金蓮の不義にはどきどきしたものです。

 吉川版は108の宿星が梁山泊に集うところで終わってしまう。しかし、原作ではその続きがあり、好漢がばたばた倒れていくというまさかの展開が待っているということでずっと気になっていた。
 この横山版の6巻は「大宋国平定の巻」となっており、最後まで行きそうということで、にちょうどいいのではと思ったのだ。思えば「三国志」も吉川英治版が五丈原の後がダイジェストだったので、横山三国志で補完したのだった。

 水滸伝は言うまでもなく中国の4大奇書の一つ。北宋末期、腐敗する官僚政治のもとで世につまはじきにされた、しかし能力に優れ、義侠心を持つ好漢たちが、梁山泊に集い、中央権力をおびやかす存在になっていくというもの。そして好漢の数は108を数え、数十年前に伏魔殿から解放された魔星が宿ったものであり、宿命づけられたものだということが明らかになる。

 この横山版は、もともと文庫本で8巻分冊になるような120回本を漫画文庫で6巻にまとめたものであり、多くのエピソードや登場人物がカットされている。

 しかしそのために取り上げられている個々のエピソードはきっちり描かれており、楽しく読むことができる。ややエピソード間のつながりが弱い気もするし、人物が増える後半はやや単調になりがちだが、この長い小説全体がきっちりとまとめられており、ストーリーを追うには最適。あっという間によむことができる。

 水滸伝の魅力は綺羅星のごとく登場するキャラクターだと思う。それぞれの人物には、豹子頭、青面獣、黒旋風、九紋龍といったあだ名がついていてそれを眺めているだけでも楽しい上に、扱う武器も剣、槍、弓、棒、錫杖、斧、手裏剣、石つぶてなど、実に多彩。そんな人物が気持ちよくお互いを認め合い、どんどん仲間が増えていくのだからおもしろくないわけがない。

 だからこそそんな好漢たちが次々と死んでいくというのに興味があったのだが、横山版では最終巻の半分が割り当てられているだけで、非常にあっさりとまとめられている。

 君側の奸である高官たちにいいように使われ、それでも国のためと奮戦する姿は胸を打つものの、やはりがっかりしてしまう。人気がないというのも納得できるう。

 それでも最後はやや救いのある結末が用意されており、後味の悪さは少なくなっている。少年漫画ということもり、中国らしい残酷なえぐい場面は抑えられ、官能的なシーンもカットされているので誰でも安心して読むことができるのだろう。


 今回漫画で読み直してみて、水滸伝のおもしろさをなつかしく思い出すことができたけれど、宿星集結後の内容を補完するには物足りないかなと思う。

 やはりいずれは100回本の岩波文庫で「水滸伝」を読んでみたいと思う。
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