深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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リチャード・ワイズマン『超常現象の科学』
超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか
リチャード・ワイズマン,木村 博江

文藝春秋
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 心理学から言うと、スピリチュアリズムの設立はまさに天才的なアイディアだった。既存の教会は信仰の重要性を訴えて、合理主義の新勢力と戦ったが、スピリチュアリズムは宗教のあり方そのものを変えた。科学やテクノロジーにとり憑かれた時代に、スピリチュアリズムは人が死後も生き続ける証拠をもたらしたばかりか、愛する故人との交信を可能にしたのだ。ほかの宗教は死後の命をほとんど約束していない。かたやスピリチュアリズムは、可能性をたっぷりあたえた。それが理性と感情の両方に訴える力は絶大であり、二、三か月のあいだにこの新興宗教はアメリカ全土を席巻した。

リチャード・ワイズマン『超常現象の科学』


 4月の半ばごろだったと思うが、ふとつけたラジオから懐かしい音楽が聞こえてきた。何の曲なのか思い出せず、慌てて midomi を立ち上げる。「Heavenly Flight」、どうして思い出せなかったのか、ドラゴンクエスト3のラーミアの曲「おおぞらをとぶ」だった。

 すぎやまこういちさんがゲストのその番組をそのまま流していたら、すぎやまさんが最近読んでいる本として紹介していたのがこの『超常現象の科学だった。耳を傾けてみると、『その科学が成功を決める』のリチャード・ワイズマンの名前。というわけで、早速読んでみることにした。

 占い、幽体離脱、念力、霊媒師、幽霊、マインドコントロール、未来予知。摩訶不思議な体験談を語る人はごまんといる。そういった超常現象がどうして生じるのかを心理学の観点から迫っていくもの。
 占い師が客の素性を見抜くのも、相手とのやり取りの中で見せるしぐさや反応から情報を読み取るコールドリーディングという手法だったり、誰にでも当てはまるようなことを自分のことだと感じてしまうバーナム効果を使っているのかもしれない。

 触れていないものが動く念力も術者のトリックによって注意を逸らされたせいで、別の物理的な力の作用に気づいていないだけなのかもしれない。

 幽体離脱を感じるのも何もないところに幽霊を見てしまうのも空白を嫌う脳の特性が意識していないところで働いて意味づけを行ってしまうのかもしれない。

 このように説明されてしまえば、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」というように、身も蓋もないものではある。しかし超常現象というのは鮮烈な経験であるはずで、それを笑って切り捨ててもあまり意味がない(参照)。

 本書は軽いノリで書かれているけれども、超常現象の背後にあるトリックやそれにかかる人を揶揄するような雰囲気はない。

 無意識にはたらく人の心の強力さを理解しながら、それを建設的な方向へ持っていこうとするところがあって共感できた。


 スピリチュアルやオカルト的なものは宗教に代わって人の心の隙間を埋める役割を果たしてきたのかもしれない。そう思うだけでも、なかなか馬鹿にもできないものだと思う。

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2012/06/25(月) 05:20:21 | まとめwoネタ速neo
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