深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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谷山由紀『こんなに緑の森の中』
 16時間がっつり作業するはずが作業できるわけもなく、今日は今日で祭りの後のような寂しさと疲労感があります。昨日の「今日は一日“アニソン”三昧 Z」楽しかったです。

 5回目ということもあるのか、構成もしっかり練られていて長時間の番組でもメリハリがあって最後までだれを感じませんでした。お疲れ様です。

こんなに緑の森の中 (ソノラマ文庫)こんなに緑の森の中 (ソノラマ文庫)
谷山 由紀,結賀 さとる

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 じゃあね、と言いつつ靴を履く。もたついてなかなか履けない。何やってんだろ。
 ああ、靴を引き寄せる手が震えてる。
「お母さんにも、もう少し時間をちょうだい。いまはだめだけど、しっかりするから」
 少し丸めた背中に、年が出ている。
「あのさ……」
 そうなふうに、自分を責めるなよ。だめだなんて。
「あのさ、隣に坂口さんって女のひとが住んでてさ、そのひとが言ってたんだけど。大人とか、子供とか、いないんだって。二十歳の人間、三十歳の人間、四十歳の人間がいるだけだって。だからね、いくつになっても……」
 だめだったり、みっともなかったりする。やっとわかった。坂口さんが言ってたのはそういう意味だったんだ。自分自身を甘やかす詭弁だけじゃなかったんだ。

谷山由紀『こんなに緑の森の中』


『天夢航海』がとてもよかったので、同じ作者によるこちらの作品も読んでみることにした。もう一作の『コンビネーション』も探しているのだけれど、こちらはなかなか見つからない。
 高校野球一筋に打ち込んできた主人公大内純一だが、肩を壊し高校を中退する。大学進学を目指し、大検に向け勉強する純一だが家庭内はぎくしゃくしたままになっていた。

 そんな折、いとこの配慮で海外出張で部屋を離れる間、猫の虎造を預かるという名目でアパートでの一人暮らしを提案される。

 ところがアパートで待っていたのはボビーと呼ばれる少年だった。アパートも次第にその姿を変え、世間と隔絶された深い森に包まれていくのだった――。

 挫折を経験した人間が人とのつながりの中で、次第に回復していくというよくあるといえばよくある話。しかし傷を包んで、ゆっくり回復を待つような優しく、ゆったりとした雰囲気はよいものです。

 けれどこの人の書く登場人物は本当に等身大で、ちくちくと痛い。それがよさでもあり、弱点でもあるような気がします。

「大人とか子供なんてない」という開き直りにしか聞こえない言葉がクローズアップされる引用した部分が好きだった。本当に幾つになっても大人になんてなれない、みっともないことばっかりだと思うのでした。
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 16時間がっつり作業するはずが作業できるわけもなく、今日は今日で祭りの後のような寂しさと疲労感があります。昨日の「今日は一日“アニソン”三昧 Z」楽しかったです。 5回目ということもあるのか、構成もしっかり練られていて長時間の番組でもメリハリがあって最後?...
2012/06/21(木) 00:37:28 | まとめwoネタ速neo
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