深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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酒井穣『はじめての課長の教科書』
はじめての課長の教科書はじめての課長の教科書
酒井穣

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 企業活動の目的は、企業に関係しているすべての人をできる限り満足させることにもあり、その「すべての人」の中には、問題社員も含まれています。
 多少の問題があることを理由に事実上のクビとしたり、完全に無視してしまうようなら、いずれそれを悔いることになります。逆に、こうしたことをまったく罪と感じないような人間には、人の上に立つリーダーたるべき資格がないといってもいいでしょう。
 豊臣秀吉の軍師として名高い黒田如水ですら、あらゆる自らの決断に後悔することが多かったと言っています。そんな黒田如水に、まさに一級の武将、小早川隆景は「損得ではなく、仁愛によって決断すれば結果によらず後悔することなどない」という趣旨のことを説いたそうです。これはそのまま現代の管理職にも通じる思想といって良いでしょう。

酒井穣『はじめての課長の教科書』


 この本は課長本の嚆矢となった著作ということになるのだろうか。数年前に話題になったときにウィッシュリストに放り込んでおいたところ、手ごろな価格になっていたので購入してみた。

 組織をフラット化しようとする流れが大きくなっていく中で、あえてピラミッド型組織を組織の基本形として据え、その中でミドルマネジメントの担い手である課長の役割と重要性を説きおこすもの。

 特に、欧米型の経営層と従業員を分ける二元型の組織論ではなく、従来の日本の組織で果たしてきた中間管理職の役割に着目し、トップとボトムの結節点としてのミドル層が描き出されている。

 全体は五章から構成されており、第1章で課長の果たす役割、第2章で求められるスキル、第3章では予算管理、人事評価、社内政治といった課長の直面する難しい課題をゲームとして設定し紹介している。

 第4章ではより個別の問題を取り上げその対処法を列挙し、最後の第5章では先を見据えたキャリア戦略についてとりあげている。

 個々の記述はあっさりしていてもう少し読みたいと思う部分が多かったけれど、その分かなり読みやすく全体をさらうには向いていて、そういった意味では正しく教科書といった感じがする。

 経営層ほど利益志向でもなく、平社員ほど現場での第一線の仕事に追われるわけでもない。上からの情報と下からの情報が集め、組織が円滑に動くような潤滑油のような役割として描かれる「課長」という立ち位置が新鮮に映る。

 上に引用したようにチームをまとめ、チーム全体として向上していくような役割を求める課長像は泥臭くて、いくらかうざったくもあり、人情的でもある。賛否両論があるところだと思うが、従来の日本型組織における課長の姿なのだろう。

 キャリアの中でで課長というポジションにつくことがあるかはわからないけれど、知識として知っておいても損はないかもしれないなとは思う。
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