深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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リチャード・ワイズマン『その科学が成功を決める』
その科学が成功を決めるその科学が成功を決める
リチャード・ワイズマン,木村 博江

文藝春秋
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 研究によると、人は人生を振り返って、自分がしなかったことを悔やむことが多い。それを踏まえて、公開しないための簡単で効果的な方法がある。
 まず一つは、チャンスに対してはつねに「実行」を心がける。作家のマックス・ルカードはこう書いている。「努力を傾ける、時間を作る、手紙を書く、謝る、旅にでる、プレゼントを買う。なんでも、したほうがいい。つかんだチャンスは喜びを生む。逃がしたチャンスは後悔を生む」。二つ目は、もし後悔するはめになったら、状況を改善する方法を考える。手紙を書く。電話をかける。家族とすごす時間を増やす。壊れた関係を修復する。大学に入りなおして資格をとる……。後悔を目覚まし時計がわりにして、やる気を起こすのだ。三つ目に、状況を改善する手だてがまったくない場合。自分が手に入れそこねた想像上のプラスのことがらに、制限をつける。「あのときああしていれば」手に入ったかもしれないことについて思い悩むのをやめ、いまの状況のいい点を三つ考える。そして、「もしああしていれば」自分に降りかかったかもしれないマイナス点を三つ考える。

リチャード・ワイズマン『その科学が成功を決める』


 近所の図書館を歩いていたら、通路側にピックアップされて展示されていたのがこの一冊。『その数学が戦力を決める』を思わせるタイトル、装丁。否が応でも目についてしまう。

 目次を開くと、“「自己啓発」はあなたを不幸にする!”というセンセーショナルな言葉が飛び込んできて、ついつい読み出してしまった。

 巷に流布している自己啓発的な方法は数多くあれど、それに従う迷える人間が必ずしも成功し幸せになれないのは何故なのか。
 本書は、友人との何気ない会話の中で「手っ取り早く幸せになる方法」を尋ねられた著者が、過去の心理学的知見をあさり、数ある成功法の裏づけをとっていくという興味深いもの。

 例えばイメージトレーニングやプラス思考は効果があるとしてよく行われている方法だと思う。ところがこの方法は、実際につまずいた時に心が折れてしまったり、目を背けようとすればするほどマイナスの出来事に捕われてしまう。

 どんなに華々しく活躍する自分、周囲にちやほやされる美しい自分、敵をねじ伏せる強い自分をイメージしても、鏡に映るのは今の自分ということだろうか。

 これと似たようなことは、「子どもはほめて伸ばす」ということにもいえて、成功体験をほめられた子どもは失敗する自分を受け入れられなくなりがちで、難題に挑む意欲を失ってしまうのだ。

 ではどうすればいいのか。最終的な目標までを細かく段階に分けて目標を設定する、目標を他者に話してコミットメントする、成功した場合に得られる利点をはっきりさせる、小さな進歩にごほうびを出す、記録する。

 また子どもに対しては、成功した事実ではなく、そこに到るまでの努力をほめる。

 これ自体はよく知られているものかもしれない。何となくで間違った方法をとってしまうのがいけないのだろう。


 その他にも、集団での意思決定やアイデア出しは責任の所在が分散し、無責任なもの、極端なもの、異性の気を惹くためにそっけない態度を取るのは逆効果、夫婦間の関係にもサプライズが必要といった、日常的で興味深いトピックが多くて楽しめる。。


 ヒトは思っているよりも、単純で即物的なプロセスのウェイトが大きいのかもしれない。ウィリアム・ジェームズではないが、幸せなふりをして振る舞っていれば幸せな気分になってくるし、負わないでいい責任は負いたくないし、失敗しまいと汲々としている。

 そういった傾向があることを把握した上で、いかにうまくコントロールし利用するか。ここでもやはり文章にするというのが有効なようだ。日記をつける、記録に残す。意識的なプロセスを通すことで流されていく自分を押さえることができるのだろう。

 とはいえ理性が常に正しいというわけでもないようで、考えに考えた末に選んだ決断が実は後悔を招きやすく、最後の最後で直感に任せるほうが満足度が高いということもあるようで。この辺りは、単純に割り切ることもできなくておもしろい。


 最後に著者ははじめの友人の問いに答えるように、一分間でできる方法を十個紹介している。これが原題の「59秒」というタイトルの元になっている。こうやって列挙されると何だかうさんくさいのだけれど、きちんとした知見に基づいたお手軽な方法がこんなにあるよということでしょうか。

 とりあえず観葉植物を置くというのにはかなり食指が動かされてしまい、暖かくなったら何か買ってこようと、下調べをはじめたのでした。
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