深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
立原道造『萱草に寄す』他
立原道造詩集 (ハルキ文庫)立原道造詩集 (ハルキ文庫)
立原 道造

角川春樹事務所
売り上げランキング : 25800

Amazonで詳しく見る

美しいものになら ほほゑむがよい
涙よ いつまでも かはかずにあれ
陽は 大きな景色のあちらに沈みゆき
あのものがなしい 月が燃え立つた

つめたい!光にかがやかされて
さまよひ歩くかよわい生き者たちよ
己は どこに住むのだらう――答へておくれ
夜に それとも昼に またうすらあかりに?

己は 嘗てだれであつたのだらう?
(誰でもなく 誰でもいい 誰か――)
己は 恋する人の影を失つたきりだ

ふみくだかれてもあれ 己のやさしかつた望み
己はただ眠るであらう 眠りのなかに
遺された一つの憧憬に溶けいるために

立原道造『暁と夕の詩』
「VII 溢れひたす闇に」より


 遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年はもう少し更新頻度を上げるか、もしくは大著に挑みたいと思っていますが、あまり無理をせずのんびりと続けていけたらと思います。



 今までずっと本を読むなら紙以外考えられないと思っていた。しかしiPhone のアプリ「iBooks」で、最初から入っていた『Winnie-the-Pooh』の美しい挿絵に惹かれて読んでみたところ、意外に読めるという印象だった。

 これなら日本語も読めるのではないかということで試してみた。使ったのは「豊平文庫lite」。こちらは青空文庫の作品をダウンロードして読むことができる。無料お試し版だというのに30作品まで利用可ということで太っ腹、おすすめです。
 手始めに、『詩の世界』を読んだときに印象に残った立原道造の詩集をダウンロードしてみた。その「夢見たものは」で始まる詩が収録されている『優しき歌1、2』や『萱草に寄す』など、主な作品を読むことができる。

 立原道造の詩は昭和初期に活躍したということで、だいぶ時代も近いことから読みやすい。難しい言葉はほとんどなく、とてもすんなりと胸に落ちてくる。 「夢見たものは ひとつの幸福 ねがったものは ひとつの愛」というのはキャッチーで口ずさんでみたくなる。

 優しく素朴な言葉で、素直に吐露される感情は内省的でセンチメンタルかもしれないけれども、とても共感してしまう。

 立原道造の詩はソネット形式を意識していたこともあり、どれも短い。そして詩集も短い。詩をふだん読まない人にもいいと思う。


 普段は常に文庫本を持ち歩いていたけれど、携帯電話一つで済む、荷物が減るのは大きい。ポケットに詩集が入っていて、どこでも読めるというのは悪くない。版権が切れたものだけでなく、もっと色々な作品が読めるようになったらお金を出してもいいなと思う。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://deepseafishtank.blog123.fc2.com/tb.php/305-75c2cf10
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。