深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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ピーター・ドラッカー『ドラッカー わが軌跡』
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 そして私は、正しい勉強の仕方、少なくとも私にとっての正しい学び方とは、うまくいっているものを探し、成果を上げる人を探すことだということを知った。少なくとも自分は、失敗から学ぶことはするまいと思った。成功から学ばなければならないと思った。

ピーター・ドラッカー『ドラッカー わが軌跡』


「もしドラ」を読んだついでというとなんだけれど、ドラッカーの他の著作も読んでみようということで、こちらの作品を手にとる。

本書は、ドラッカーの半生を綴った自伝。思えば、「20世紀を生きて」という自伝を読んで、ドラッカーの著作を読み出したのだった。

「20世紀を生きて」は元が日経新聞の「私の履歴書」というコーナーに連載されたものであり、読みやすくはあるが、あっさりとしていた感があったので。
こちらの原題は「Adventures of a Bystander」ということで、目撃者とか傍観者とかいう意味になるらしい。ドラッカーが出会い影響を受けた、また社会に対しても力を持った20世紀を生きた人物が活き活きと描き出されている。そういった意味では、自伝というのも奇妙な感じがある。

もう一つの自伝でも触れられているように、フロイトやポランニーとの接触をはじめ、社会主義運動の挫折、キッシンジャー外交の理論的基礎を提供した人物、GMのマネジメントを間近に見たことなど、「A bystander」と自らを位置づけるだけあって、20世紀の要所要所に居合わせていたのではないかという気にさせてくれる。

 そしてただ居合わせただけでもなく、訳者は観察者と訳したように、どんな大人物だろうとどんな分野であろうと迎合せず、冷静に独自の切り口で批評がなされている。そこに驚かされる。


 中でも興味深かったのは、ヨーロッパでの生い立ちを語った部分。幼いドラッカーが何を見、何に影響を受け、どう形作っていったのかが感じ取れる。

 特に「ゾフィー先生とエルザ先生」と題する章は、ドラッカーの勉強の仕方、教育観などがぎゅっと詰まっているような感じで、多くの人に読んでみて欲しいと思わされる。

 またフロイトが学会から無視されていたわけでも、差別されていたわけでもなかったとし、フライト自らがその被害妄想的な思い込みを必要としたのだとフロイトを逆に分析し直していて、なるほどと思う。


 ドラッカーのすごさは十分に感じられる本で、好きなファンが多いというのもうなずける作品。私自身もその一人になった。

 ただ、タイトルどおり、ドラッカーは「目」になっているので、自伝といってもドラッカーの私的事柄に触れられることは案外少ない。その点は、ドリス夫人との微笑ましいエピソードなどが載っている『20世紀を生きて』(最近は文庫化された模様⇒知の巨人 ドラッカー自伝 (日経ビジネス人文庫))と一緒に読むといいかもと思う。

 私が読んだ版は絶版のようなので、新しく読まれる人はこちらの著作集がいいかと思う。
ドラッカー名著集12 傍観者の時代 (ドラッカー名著集 12)ドラッカー名著集12 傍観者の時代 (ドラッカー名著集 12)
ピーター・F・ドラッカー,上田 惇生

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