深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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石田ゆうすけ『行かずに死ねるか!』
行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫)行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫)
(2007/06)
石田 ゆうすけ

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 タケシやアサノがこの旅を始めたときもそうだった。ぼくにとってチャリ旅は日常で、ペダルをこぐことが当たり前になっている。でもこうやって彼らと走ることで、改めて気付かされるのである。汗を流して、自分の力で目的地に向かうという単純な行為がいかにおもしろいか、ということを。

石田ゆうすけ『行かずに死ねるか!』


『自転車ぎこぎこ』などの自転車紀行文がおもしろくて、他の作品を探していて見つけたのが本作。

 大手食品メーカーのサラリーマンだった著者は仕事をやめ、自転車一つで世界を一周する旅に出た。足掛け7年半9万5千キロに及ぶ旅行記を280ページ足らずの本にまとめた一冊。

 アラスカを発ち、南米アメリカ大陸を縦断、ヨーロッパに渡りアフリカを縦横に抜け、アジアそしてシルクロードと、壮大な旅の記録がとられている。
 自転車で世界を一周するという試みそのものはもちろんすごいのだが、旅での記録を克明に描き出す著者の文章力がすごい。その場面その場面が絵として浮かんでくる。

 強度の旅の印象が人を詩人にするのか、そもそも詩的才能がを持った人が旅に誘われるのか。

 いささかセンチメンタルだとか、7年半の旅が凝縮されているので地域ごとに流れが途切れてしまうとか、旅が日常化し最初の南北アメリカ大陸以降マンネリ化している感じがあるという指摘もあるけれど些細なことだろう。

 とてもここまでの冒険に乗り出す勇気はないけれど、日常とは異なる新鮮な世界を垣間見せてくれる一冊。


 印象的なエピソードは、「死んでもええんじゃ」と思っていた著者が仲間のチャリダーの死を知り、生きて帰ることを決める部分。

 いつ死んでもいいというのは無責任な言葉なのだろう。それがおびえる弱い人間にとって御幣大事に抱えている言葉だとしても。

 このあたりを読んでいると『人間の土地』を思い出す。


 世界を周っている人は意外といるんだなと思う。
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