深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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曽田正人『シャカリキ』
シャカリキ! (1) (小学館文庫 (そB-12))シャカリキ! (1) (小学館文庫 (そB-12))
(2006/06)
曽田 正人

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7年前のあの日
一番坂に初めて挑戦した
あの時から

ほかに競う相手のおらんこの町で
お前は傾斜だけを相手に
取っ組み合いしてきたんやからな

……よっしゃ
それならそれでええ

もっと速く
もっと高く

チャリンコで天まで
駆け上がったれ!!

曽田正人『シャカリキ!第1巻』


 自転車について調べていると必ず目にするこの作品。ロードレースマンガの原点的な作品らしい。

 ランス・アームストロングが自認するように、つらく長い坂道を登るために生まれてきたような少年がロードレースに打ち込む姿が描かれている。

 自転車を買ってもらったばかりの野々村輝は坂の多い町へ引っ越すことになる。町の子どもたちが自転車に乗らない中で、輝はただ一人坂へ立ち向かっていく。

 中学3年になり坂には絶対の自信を持つ輝の前にライバルとなる由多が現れる。負けず嫌いに火がついた輝は由多の入部が決まっている、またその父親で往年の名選手である由多監督のいる横浜の名門亀校自転車部入りを決意する……。
 熱いとは聞いていたけれど、ただ熱いという言葉しか出てこない。

 過酷なレースで誰もが鼻水を垂らしながらぼろぼろになって走っているのに、抜けるようなさわやかな作品。読み出したらもう止まらなかった。

 全く悪役らしい悪役が出てこないというのも印象に残った。しかし悪役は出てこなくとも、どこまでも続く坂道、最大の敵は自分自身というところで、地味ながらつぼが押さえられているのだと思う。

 誰もかれも自転車が大好きで、自分が一番だと信じていて、誰にも負けたくないと思っている。後先なんて考えず燃え尽きていく姿は坂バカとしかいいようがないけれど、清々しく胸を熱くさせる。

 解説で高橋留美子さんが書いているように、脇役たちがいい味を出している。自転車屋のおじさんや石渡など、主人公たちの戦いを目の当たりにして高ぶる心が伝わってくる。


 難を上げれば、やはりまだギャグも織り交ぜつつ展開される「ハマのラルプ・デュエズ」石渡山のレースが一番おもしろくて、それ以上の盛り上がりはなかったかなというところ。

 それでも最後まで熱が下がるわけではなかった。ロードレースについての知識も得られ、レースが見たくなった。そして自分も坂を上ってみたくなるような作品。
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