深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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行方昭夫『英文の読み方』
英文の読み方 (岩波新書)英文の読み方 (岩波新書)
(2007/05)
行方 昭夫

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 こうした出会いを経験して、「正確な日本語に訳せる」ことこそがもっとも重要だと私は考えるようになりました.ざっと読み流して大まかな意味を取り、曖昧な訳が出来たとしても、それで英文が「読める」とはとてもいえないのです.コンテクストを把握した上で、書き手の気持ちや言外に込められた意味など英文の裏の裏まで読み解き、それを生かした日本語に直せる力こそが、総合的な英語力の何より重要な基礎だと確信するようになったのです.

行方昭夫『英文の読み方』


「英文快読術」を読んだときよりは楽しめたので少しはレベルが上がってるといいな……。

 本書はモームやヘンリー・ジェイムズなどの翻訳で有名な著者が、英文読解についてポイントとなる部分を解説したもの。上の引用にもあるように、最終的には翻訳することを目標とするかなりハードな内容。「コツ」という部分もなるべく言語化することを心がけたと述べられていて、丁寧で誠実な印象を受ける。

 自分自身もペーパーバックなどを読んでいるが、「読めた」つもりになっているんだろうなと反省させられた。第一章が多読で平易な文が続いた後、第二章の精読で急に難しくなり、その後少し難易度が戻るような、心なしか優しいつくりになっているような気がする。

 著者は学生時代に教授が難解な英文をすっと訳していくのを目の当たりにして英文読解の大切さに気づいたそうだが、本書でも難解な文学作品が読みやすい日本語に変わっていくのを目の前にするのは、かなり刺激的で読んでいるだけで楽しい。
 著者は精読と多読を平行して行うことを勧めている。英文を楽しんで「読めた」という感じを味わいながら読むのが多読であり、単語の意味が文脈によって決まることを前提に分からない単語を辞書を引き一語一語丁寧に読み込んでいく精読である。

 英語は文のつながりを大事にする言語であり、なぜそういう発言が出たのかということを論拠を"for"などをつかって挿入してまで補うところがあるというところは興味深いし、語の意味が正確にとれていても著者の皮肉な調子といったニュアンスが全く伝われないような読み方ではいけないというのは頭ではわかっていても、なるほどと思わされた。

 翻訳をするには当然ながら日本語作成能力も必要になってくるし、英文を読むというのがかなり全体的な営みだということを痛感させられた。
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