深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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犬養道子『旧約聖書物語』
旧約聖書物語 増訂版旧約聖書物語 増訂版
(1977/01)
犬養 道子

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 エレミアのもひとつの特長は、使命を与えた神の前に肩肘を張らぬこと、強がらぬこと、であった。辛いと訴え、「なぜ、なぜ」と神にたずね、父に対する子のごとく、友に対する友のごとく、洗いざらいを示し出す親しみであった。そしてこの点にもまた、彼の使命があったと言ってもよいかもしれぬ。すなわち、神をよそよそしく奉ってしまわず、己が弱さとして、神にすがりつきつつ、わからぬことはわからぬとして訴え訊ねつつ、苦しみを苦しみとして神の前に泣きつつ生きた。幼な子のような正直さである。

犬養道子『旧約聖書物語』


『聖書の常識』を読んだときに少し触れたけれど、旧約聖書は、「ヨブ記」を除けば、『アブサロム、アブサロム!』に挑戦したときに「サムエル記」まで読んだきりだった。

 続きを読みたいと思いながら、聖書はなかなか高価でもあるし、訳もいろいろあったりで、とっつきにくいものを感じていた。そんなとき本書が旧約聖書の全体をつかむのにいいという評判を聞き読んでみることにした。

 以前から名前は知りつつ、そのタイトルから旧約聖書をモチーフにしたフィクションのような気がして、あまり食指が動かされてこなかった。
 ところが実際のところ、本書は、自らアマチュアといいながらカトリック教徒として聖書学も勉強されている著者が、とっつきにくい旧約聖書を「旧約聖書とはおおよそこういうものです」と紹介した入門書だった。

 膨大で読みにくい旧約聖書が通読しやすいものに整理されており、随所に新訳とのつながりについての著者の見解や聖書学の知見などが紹介されている。

 著者は敬虔な方らしい。複数のライターがいることによる矛盾する記述が混在していることに感じる不思議さや、ナンセンスでコミカルな部分はなくなっている。

 しかしそれはこの後に実際に旧約聖書を読んで味わえばいいのだろう。全体をつかむにはうってつけの一冊だと思う。


 もう一度はじめから旧約聖書を読んでみると、ユダヤ人の歴史が絶えず戦いにさらされてきたことがわかる。

 国を滅ばされ、他の民族と同化していく者も現れるのを眺めながら、支配に抗い、大国同士の争いの中で立ち回り、伝えられてきたことを守ってきた人々。

 そういったことを知ると、詩篇の強大な敵を前に神に助けを求める人々の声を読んでいると言葉に詰まる。

 山本七平氏のいうように全く違う精神構造が形づくられるのも不思議ではないと思う。


 これで一通り流れはつかめたということにして、次は詩篇を全編読みたいなと思う。やはり聖書は高価なので、iPhone を使ってこのアプリで(iTunes Store へのリンクです)こっちのアプリのほうが読みやすいのだけれど、なぜか詩篇は日本語では読めないので。
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