深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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ウィリアム・T. オドノヒュー & カイル・E. ファーガソン『スキナーの心理学』
スキナーの心理学―応用行動分析学(ABA)の誕生スキナーの心理学―応用行動分析学(ABA)の誕生
(2005/12)
ウィリアム・T. オドノヒューカイル・E. ファーガソン

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 行動の原因としてなぜ感情とか、認知とか、そうしたものがおきまりのように引き合いに出されるのだろうか? 行動に対する擬似説明が何故幅を利かせるのだろうか? スキナー(1974)は、もしある出来事に別の出来事が続いて生ずると、最初の出来事を原因(時間の前後関係を因果関係と混同する虚偽の論理)と信じてしまう人がいかに多いかを観察している。感情とか思考は通常、行動に先行するので、その内的状態を行動の原因としてしまう。感情、思考、その他の認知の現象は原因ではなく、単に行動に伴うだけである。すなわち、内的状態は付帯情報に過ぎない。どうしてそのように行動したのかに関する情報ではない。

ウィリアム・T. オドノヒュー & カイル・E. ファーガソン
『スキナーの心理学』


『自由と尊厳を超えて』を読み終わって色々と調べていると、そのものズバリの本書の存在を知った。

 先に出会ったいたら原著のほうももう少し楽に読めたかもしれないと思いつつ、こういう本が日本語で読めることに感謝。

 本書は長い間、誤解と偏見にさらされたスキナーの業績を紹介し、応用行動分析というその現実世界への適用に対する抵抗を和らげようとするもの。
 それなりにスキナーに触れてきた私にとっては、スキナーを師匠と仰ぐ著者たちの記述には共感するところが多く、おもしろく読めた。

 行動分析学などについて知りたければ『行動分析学入門』や訳者の方がおすすめしている『メイザーの学習と行動』のほうがいいと思うけれど、当然ながらスキナーという人物に関しては最も詳しい。

 何となくマッド・サイエンティスト的な奇矯な人物に思いがちだったけれど、意外にもまじめで地味な研究者だったようである。

 ダーウィンからの影響はわかりやすいが、フランシス・ベーコンやエルンスト・マッハらに強く影響を受けているというのは知らなかった。対して、パヴロフやワトソンからの影響はそれほどでもないとのこと。


 一番おもしろかったのは、第4章の科学哲学に関する部分。行動主義とは科学が何を目的にし、どんなアプローチができ、何に役に立つかといった科学哲学、メタ科学なのだという。このへんはわかっているようで、なかなか難しい。


 最後には、現在の行動分析学がおかれている状況や展望もまとめられている。よくあるスキナー批判に対しても回答がなされていて、感じていた違和感の解消にもだいぶ役立った。

 全体的におもしろかったが、言語行動に関する部分はやはり難しかった。チョムスキーとの論争がどういうものだったのか、時間があればまた調べてみたい。
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