深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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W. H. マクニール『世界史』
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 このようにして、宗教が一地域のものでなくなった。ユダヤ人たちは、外見上はまわりの民族とほとんど同じようにふるまい、さまざまな言語を話し、衣装や行為の点でも一律でなかったが、それでいてヤハウェには忠実でありつづけた。要するに、宗教が、人間文化の他の側面から切りはなされたのである。イェルサレムの神殿での豪華な礼拝式に執着したり、信者に対して同一地区に住んでほぼ統一的な習慣に従うよう強制するのではなくユダヤ人の信仰は、少数の信者が集まって聖書を研究し思索する場所でなら、どこでも栄えることができるようになったのである。

W. H. マクニール『世界史』


 どうも最近世界史の知識が抜け落ちていっている気がして、もう少し私も歴史に学ぼうかと思っていた。

 中公文庫の「世界の歴史」シリーズを読んでみようかと思っていたこともあったけれど挫折しそうなので、そこそこ短くて読みやすいものを探した。

 そこで見つけたのが本書。アメリカでは30年以上版を重ねている、定評のある世界史教材だという。
 序文によれば、大著に挑む際の補助となる短い教科書として、また単一な簡単な見方からまとめられたものだという。文庫版でも上下合わせて900ページあるけれど。

 やはり紙幅が限られているので、人物や事件などが大きく取り扱われることはあまりない。その反面、各時代のポイントやつながりがわかりやすい。
 そういう点が個人の手による通史のいいところだと思う。

 中心になっているテーマは、何故かつて隆盛を極めた文明が衰退したのか? ということである。

 その答えも簡明だ。中東、インド、中国。古代文明が誕生した地はそれぞれの理由で保守的になりすぎた。日常生活まで事細かく定められた戒律、外的な脅威からの精神的世界への逃避、外を顧みる必要のないほど発達した社会・文化。

 ヨーロッパや日本などの二流国のほうがむしろ外部の変化に敏感であり、その対応をスムーズに行なうことができたのではないか。

 キーワードはここでも変化。技術や生活の変化はとても速く、一方文化の変化しにくい。そこに軋轢が生じる。

 著者はそこに成功と危険、両方の可能性を見ているが、変化していく方向に肩入れしているのだろう。


 時間がなくて駆け足になってしまったのであまりしっかり読めたとは言いにくいけれど、世界史でいろいろな史実を学び終えたあと、その全体を整理するのに適した一冊だと思う。大学生になったばかりの人などが読むのにぴったりだと思わせてくれるのはさすがだと思う。
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