深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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今野緒雪『マリア様がみてる リトルホラーズ』
マリア様がみてるリトルホラーズ (コバルト文庫 こ 7-62)マリア様がみてるリトルホラーズ (コバルト文庫 こ 7-62)
(2009/07/01)
今野 緒雪

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 珍しく近所の本屋にコバルト文庫の新刊がすぐに並んでいたので買ってきました。

「ハローグッバイ」で一応の完結をみたシリーズですが、短編がたまっていたこともあり、復活となりました。

 姉妹編の「釈迦みて」も微妙な気持ち悪さと熱血な展開で悪くはないんですが、やはり物足りない感じはあるので嬉しいところです。

 新しく薔薇の館に加わった菜々の視点で、3年生になった祐巳たちの姿が描かれる表題作をのりしろに、「いなくなった人」をテーマにした短編5作が配されています。

 以下ネタバレ含みます。



 タイトルからはホラーを想像させますが、どちらかといえばメルヘンといった感じで、説明のつかない不思議な話が多いです。

 短編集にしては珍しくといってはなんですが、のりしろ部分がおもしろい。その分短編の前フリにはなってないのですが。

 3年生になってもあいかわらず由乃のは暴走は健在ですが、スールになった菜々がはっきりと物を言うので、なかなかいいコンビになっています。

 祥子たちが卒業しても十分楽しめるものになりそうなので、まだまだ続けて欲しいです。


 一方の短編はというと、よくわからないものも多い。以前は作者の短編は本編よりも好きなぐらいだったのだけれど、前の「マーガレットにリボン」といいもう少し。

 その中でも好きなのが「ハンカチ落とし」。個人的にはこういうのをもっと読みたい。

(あんな遊び、何が面白いんだか)
 そう思いつつ、目が離せなくなる。
 円の外を歩きながら鬼は、穏やかに座っている人の後ろにそっとハンカチを落とす。そのハンカチは不浄の物だ。だから自分の後ろに落とされた人は、慌てて立ち上がり落とし主に返そうとする。しかし、落とし主は知らん顔をして一人分空いたスペースに楽々と収まってしまう。もう自分は鬼ではないのだ、と。こうなったら、仕方ない。新たな鬼は考える。誰かにこのハンカチを押しつけなきゃ。
 ああ、何て嫌な遊びなのだろう。

今野緒雪『マリア様がみてる リトルホラーズ』「ハンカチ落とし」より


 一つの出会いが少女を変えていく様子が、ハンカチ落としというモチーフをうまく使って描かれていてよかった。

 その他では、オトナが双子の美少女に籠絡されて終わるという「ワンペア」もB級映画を見たような後味の悪さで結構好きです。



 瞳子はやっぱりあれを口実に使うのかとか、桂さんはあいかわらず軽いなあとか、思わず反応したくなる小ネタも多いです。

 というわけでシリーズファンにとってはなかなかに楽しめる作品でした。こういった形ででも続いてくれればやはり嬉しいですね。
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