深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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森達也『いのちの食べかた』
いのちの食べかた (よりみちパン!セ)いのちの食べかた (よりみちパン!セ)
(2004/11/19)
森 達也

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 もう一度書くよ。そもそも僕らの営みは、人を傷つけたり傷つけられたりすることであり、これは人を愛することや愛されることと同義なんだ、同義。分かるよね? 同じ意味。人を愛さない人はいない。だから人を傷つけない人もいない。君も、あなたも、彼も、彼女も、いつも誰かを愛しながら、いつも誰かを傷つけている。これが人生だ。何十億ものそんな営みが、この世界を作り上げている。

森達也『いのちの食べかた』


『この世で一番大事な「カネ」の話』と同じ「よりみちパン!セシリーズ」から評判のよさそうなこちらを読んでみた。

 本書は普通に生活しているだけではなかなか知ることのできない食肉の解体はどこでどのように行われているのかを取材したもの。

 さらに動物の解体がタブーとして隠されている理由に踏み込み、私たちの社会がはらむ穢れや差別といった問題へ進んでいく。
 そしてその社会に生きる私たちが、多かれ少なかれその制度を支えている当事者だということ、だからこういった社会のタブーに無自覚であってはいけないということが強調されている。

 都市の中に食肉工場があって、苦痛を与えないようにノッキングという手順で意識を失わせられた動物は生臭くならないように人間の手によって手際よく捌かれるという。

 食肉工場といわれれば映画「ロッキー」のイメージしかない私にとっては、知らないことばかりでかなり衝撃的だった。

 私たちが直視しようとしないこと、隠されていることから、どのような社会的な問題が生まれてくるかという問題提起も興味深い。問題意識を持つこと、「知る」ことの大切さ。何度も何度も繰り返す著者の意気込みが伝わってくる。

 120ページ足らずとこちらもあっという間に読めてしまうけれど、ずしんとくる一冊。
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