深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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疋田智『自転車生活の愉しみ』
自転車生活の愉しみ (朝日文庫 ひ 16-1)自転車生活の愉しみ (朝日文庫 ひ 16-1)
(2007/06/07)
疋田 智

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 オフィスの中のコントロールされた気温、プラスティック製の観葉植物、空気清浄機、それらは本来ないはずのものじゃない。夏は暑いのだ。汗を掻き掻き移動するのだ。冬は寒いのだ。外を走るのがイヤになるほどに。でも、だからこそ春に、秋に「ああ、イイ季節になったなぁ、風が気持ちがいいなぁ」と思える。秋風の匂いに気づく、春に若草の香りがする。それが、この地球に生きているということだろう。
 天気にも敏感になる。雨が降るのが心配になる。風が吹く日は憂鬱になる。日照りの夏はおろおろ歩く。そういう天の配剤にいちいち反応できることが、自然だ、人間だ、と思えるようになる。思えるようになる頃には身体中の細胞が覚醒してきている。

疋田智『自転車生活の愉しみ』


『自転車三昧』が思いのほかおもしろかったので、原典回帰ということで『自転車入門』でも紹介されていたこの本を手にとってみた。

 著者はテレビ局につとめる人で、自転車通勤の経験から自転車に関する著述活動をしている。「自転車ツーキニスト」という言葉の生みの親。

 今は廉価な文庫版が手に入るけれど、もともとは東京書籍から出版されていたもの。教科書系の出版社からこういう本が出ていたというのも不思議な思いがする。
 読んでみると、さすがにおもしろい。さびついたママチャリを引っぱりだしてサドルを高くし空気を入れ自転車に乗ることの楽しさを知ってもらおうというところから、自転車通勤を始める、始めた後に必要な知識を十分に提供してくれる。

 そしてただ楽しいだけではなく、自転車で通勤するという制約からくる苦労や考える必要があることなどもたくさん書かれていて参考になる。都市部の自転車通勤事情がわかって興味深い。

 それでもやっぱりとにかく自転車は楽しいんだ、というののがはっきり伝わってくる。上に引用したところなどはとてもよくわかる気がする。


 後半は自転車が人々の生活に溶け込んでいるドイツやオランダの都市事情の見聞記と日本の道路行政への提言となっている。

 自転車天国のようなヨーロッパの生活は素直にいいなと思う。日本のように車道を走るのは危険でグレーゾーンの歩道を走らざるをえないのはやっぱりつらい。

 けれどそういったは環境がどうだとかいうよりも、車の利便性を奪うことで達成されたものらしい。意図的に環境を整備してきたからそうなっているのだというのがわかる。

 自動車産業が盛んで、坂や雨の多い日本でどこまでできるのかなとも思う。

 とはいっても私が住んでいるような田舎では、駅前なども車での移動は融通が利くわけではなく、郊外のショッピングモールなんかのほうが利便性が高いことが多いイメージがある。

 ならば自転車+鉄道網のセットという観点から都市整備を試しに行ってみるところがあってもいいんじゃないかなとは思った。
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