深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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小島寛之『文系のための数学教室』
文系のための数学教室 (講談社現代新書)文系のための数学教室 (講談社現代新書)
(2004/11/19)
小島 寛之

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 いままでお話ししましたように、わたしたちが科学を研究したり、社会のあり方について議論したり、日常会話の中で自分の意見を述べたりするときに重要なのは、シンタックスのほうです。ものごとの真偽というのは、わからないことのほうが多いし、わからないからこそ議論するわけだし、さらには主義主張や思想信条や生活観によって意見が分かれていたりするからです。世の中でよく、相手の話している内容が、自分の主義主張と合わないことを理由に、「君の議論は論理的じゃない」などと非難する人がいますが、このような人は、セマンティックな立場に、つまり個々の真偽にこだわるあまり、相手の推論の正しさまでをも否定してしまう混乱状態に陥っているのです。こういう人はシンタックスな立場をきちんと勉強しなければいけないでしょう。

小島寛之『文系のための数学教室』


 私は高校数学でつまずいてしまったけれども、何となくコンプレックスのようなものがあって、もっと数学に強くなりたいなと思っている。

 本書は数学が苦手だと思っている文系の読者を対象に、数学嫌いになるのではなく「下手の横好き」というレベルになってもらおうと、数学の最前線のおもしろい部分を紹介しようというもの。

 著者は経済学者だが東大数学科の出身。大学時代数学嫌いになったことがあったけれど、経済学に出会ってから数学の見方が変わったのだという。
 著者は『確率的発想法』でベイズ確率の存在を教えてくれた人でもあり、おもしろそうだったので読んでみることにした。

 微分・積分、論理学、ジョルダンの定理、アローの一般性定理、プラック=ショールズなどが主なトピックとして取り上げられている。

 わかりやすいものばかりではないけれども、著者の語り口が丁寧で、それほど突っかかることなく読めてしまう。

 セマンティクスとシンタックスの話は興味深かった。何をいうのか、のほうが何となく大事に思えるけれど、それでは神学論争になってしまう。

 そうではなくまず相手の論の建て方が正しいか吟味する必要があるというのはなるほどと思った。


 最終章の数学への思いを哲学をまじえたりして語っている部分はちょっとついていけなかったけれど、その後の直角三角形二枚を使った中学生向けの幾何の授業の話もおもしろかった。

 数学的なものの見方を体験しながら発見していくという試みはいいなと思う。「数学が苦手なのは数式の眺め方がわからないから」という著者の主張がよく反映されている。


 そうはいってもなかなか「Σ」や「∫」、「dx」という記号ばかりが並んでいると、うっ、とうなってしまうのだけれども。

 下手の横好きといったレベルでこれからも時々は数学に触れていきたいものだとは思います。
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