深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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今野緒雪『マリア様がみてる ハローグッバイ 』
マリア様がみてるハローグッバイ (コバルト文庫 こ 7-60)マリア様がみてるハローグッバイ (コバルト文庫 こ 7-60)
(2008/12/26)
今野 緒雪

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『卒業前小景』を読んだときの予感した通り、祐巳・祥子編は完結ということで、10年以上続いた「マリア様がみてる」シリーズも一区切りとのことです。

 私にとってはアニメ化されたのをきっかけに、生まれて初めて手にとったライトノベルのシリーズで感慨深いものがあります。

 なんだかんだいってもコンスタントに一定の質を維持していく力量はすごいと思っています。最後まで書ききってくれことに感謝。

 例のごとく以下ネタバレありです。
 サブタイトルは「ハロー」も「グッバイ」も「ごきげんよう」と訳せることから取ったということでうまいなと思います。

 祐巳・祥子の物語としては前巻の『卒業前小景』がクライマックスだったかなという印象だけれど、主要人物が次々と登場する大団円となっています。

「ちさとちゃん、以前は長かったんだ?」
 ……何ですと?
「そっか、その姿も一度みてみたかったな」
 ………………。
再びニコニコが復活となると、これはもはや計算されたボケではあるまい。令さまは、本気で髪が長かった頃のちさとに(初めて)会いたがっている。
「私」
 ぷるぷると、全身が震えた。声も震える。でも、このまま笑って終了することなんて、とてもできない。
「ここにいるのは全在校生の代表で、いわば由乃さんの代わりなんですよね」
「うん?」
「――なんで、この場合一番適当な言葉を変えさせていただきます」
 ちさとは、キョトンとしている令さまに向かって声を絞り出した。卒業していく人へ向けた、餞の言葉ではないと承知の上で、
「『令ちゃんのばか』」

『マリア様がみてる ハローグッバイ』


 そんな中でも物語を引っぱるのはやはり黄薔薇で、最後に飛び出した「令ちゃんのばか」には泣き笑い。田沼ちさとはいいところを持っていったなあと思います。

 由乃もあいかわらず見てられないほどはらはらさせてくれますが、差し出したロザリオを素直に引っ込めることのできる潔さがすがすがしい。

 そしてもう一つ印象深いのは答辞にリベンジする祥子。祐巳からの視点が多いからかあまり感じなかったけれど、祥子も強く成長していったんだなと。改めて祥子と祐巳の物語なんだなと思ったエピソードでした。


 これでシリーズも一区切り。次は「釈迦みて」になるのか、新主人公のもとで再スタートするのか、外伝的な作品となるのか。いずれにせよ注目していきたいと思います。

 個人的には作者は短編のほうが巧みだと思っているので、短編集でもいいのでもっとリリアン女学園の物語を読んでみたいなという感じです。
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