深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
佐々木正人『アフォーダンス―新しい認知の理論』
アフォーダンス-新しい認知の理論 (岩波科学ライブラリー (12))アフォーダンス-新しい認知の理論 (岩波科学ライブラリー (12))
(1994/05)
佐々木 正人

商品詳細を見る

 現在でも多くの知覚心理学者がそうであるように、彼も、日常的に体験している「あたりまえの見え(方)」ではなく、錯視などのように、普通の見えが歪められた状態を実験的に分析して、そこから「あたりまえの見え」について考えるというアプローチの方法をとっていたわけである。
 (中略)
 フライトシュミレーたーの作成、空中で敵機を発見する知覚的能力の分析、パイロットの候補者となりうるすぐれた知覚能力を持つ者を選考するこなどが彼に与えられた任務だった。そこでギブソンがまずショックを受けたのは、「あたりまえの見え」が実現している素晴らしさであった。

佐々木正人『アフォーダンス―新しい認知の理論』



『レイアウトの法則』が消化不良だったので、あらためてこの本を手にとってみた。この本は1994年に出版されたもので、アフォーダンスを扱った一般書の中でも最も古いものの一つだと思う。

 実はこの本、その分量の少なさの割りに値が張るなと思ってなかなか手にとる機会がなかったのが、それは怠慢だった。今まで読んだアフォーダンス本の中でも特に平易で、アフォーダンスについて知りたいと思う人にはまずこの本を勧めたい。


 この本がわかりやすいのは、ギブソンがなぜ環境の中に情報があると考えるようになったか、その思索の遍歴が描かれているからだと思う。

 そして個々の知覚実験に関しても図版をもとに詳しく説明してありイメージがつかみやすい。

 また人間がある事柄がある事態に関係のあるか、ないかの判断を瞬時に行うことができるのかというフレーム問題が、行為を環境から引き離し、主体の中の知識や論理だけを用いて推論させようとするからだという指摘はおもしろかった。 

 以下メモ。

 ケプラーは眼をレンズのように網膜に外界の像を結ぶ装置だと考えた。デカルトは網膜像は現実の正確なコピーでないことを実証し、そこに心のはたらきを見た。

 ギブソンは大学でゲシュタルト心理学を学んだ。感覚刺激の要素に分解できないその総和以上のもの(ゲシュタルト)を人間は知覚する。感覚刺激以外の要因が知覚に関係している。

 ギブソンは空軍パイロットの知覚能力を測定する仕事に携わり、空間の広がりを舞台にしたとき、網膜という小さなスクリーンでは従来の奥行き手がかりと考えられていたものが無効になってしまうことに気づいた。

 そこで彼が注目したのが、表面でありその面上の肌理の変化であり、その面と面との配置であった。

 そして人間が動き面との角度が変化しても、面の傾きは同じに近くされることから、動き変化するものの中に不変を発見することの重要さに気づいていく。

 また光がなければ面を知覚することはできず、包囲光の中に情報が含まれていると考えるようになっていく。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://deepseafishtank.blog123.fc2.com/tb.php/17-fc5378a9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。