深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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エレディン・シューレディンガー『生命とは何か』
生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫 青 946-1)生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫 青 946-1)
(2008/05/16)
シュレーディンガー

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 この例からわかることですが、もしわれわれの感覚がほんの数個の分子の衝突をも感ずるのであったなら、われわれは一体、何とおかしな無秩序な経験をすることでしょう! バクテリアやその他の生物で、はなはだ小さくてこの(ブラウン運動の)現象の影響をひどく受けるものがあります。このような生物の運動は周囲にある媒質の気まぐれな熱運動によって決定され、したがって特定の運動を選ぶことはできません。もしこれらの生物が自分自身に何か運動する力を具えていたなら、一つの場所から別の或る場所へたどりつくことに成功するでしょう――が、それはかなり困難です。というのは、荒海にただよう小舟のように、熱運動によって揺り動かされるからです。

エレディン・シュレーディンガー『生命とは何か』


 名著という噂は聞いていたが、岩波文庫入りしたということで手にとってみた。

 本書は物理学者として有名な著者が、専門外の「生命とは何か」という生物学の領域に物理学の観点からどのように考えることができるかを語った講演集。

 当時はまだDNAの存在が発見される前の時代。けれども著者は遺伝子がどのような存在であるかを推論によって迫っていく。

 生命のように秩序だった存在は大きな体を必要とする。個々の原子は無秩序な動きをするが、何十兆という細胞、無数の原子が集まることで統計的に秩序だったものが生まれる。
 遺伝子は安定した物質でなければならない。ところが、考えられる遺伝子はこのように大きな存在であると期待できない。

 修正を迫られた著者は分子の安定性に注目し、遺伝子を巨大な分子と推論する。そして生命はその秩序を維持するために「負のエントロピー」を吸収しているという考えを提出する。

 ある分野の専門家が専門外の領域にどのように挑むかという点でとても刺激的。

 細かい部分はあんまり理解できていないけれど、著者の生命に対する驚異の思いが伝わってきて興味深かった。
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