深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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今野緒雪『お釈迦様もみてる 紅か白か』
お釈迦様もみてる―紅か白か (コバルト文庫 (こ7-58))お釈迦様もみてる―紅か白か (コバルト文庫 (こ7-58))
(2008/08/01)
今野 緒雪

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 いつのまにか今野先生の新作が出ていることに気づいて近所の本屋に行ったのだけれど、すでに置いてなく仕方なくAmazonで購入。

「マリア様がみてる」シリーズはどの巻も楽しんで読んできた私でも、前作の「マーガレットにリボン」は伏線を消化しただけで内容が薄く思われ、どうにもだめだった。

 そんな中でこのスピンオフということで不安だったのだけど、そんな不安を吹き飛ばす面白い作品でした。さすが。

「マリみて」に比べると吹っ飛んだ濃いキャラが多く、舞台が男子校ということでほとんど男子生徒しか登場せず、軽くではあるがボーイズ・ラブの要素があるが、そういうところを許せるならば楽しんで読めると思う。

 以下ネタバレ含みます。

 柏木は、もうついてこなかった。その代わり、祐麒の背中に「おい」と声をかけてきた。
「さっき、間違ったことはしていないと言ったな」
「あ、ああ」
 祐麒は振り返って、上段から見下ろした。
「だったら、もっと堂々としていろ。君はうつむいて歩いていた。言っていることと態度が一致していないぞ」
 確かにその通りなので、何も言い返せなかった。

< p class="cite">今野緒雪『お釈迦様もみてる 紅か白か』


 祐巳の弟、祐麒を主人公に花寺学園に入学した日から、生徒会長柏木優と出会い生徒会へ入っていく経緯を描いた表題作とその後日譚の「アンドレの憂鬱」が収録されている。

「マリみて」本編では、「できた弟」という印象だった祐麒も、年上にタメ口をきいたりと、後先考えずに突っ走ってしまう少年として描かれていて意外な感じ。

 誰かと関わることで人を傷つけてしまうのではないか、という悩みは、真っすぐ突っ走る性格に限らない。これが自分だと思ってもうつむいてしまう祐麒には共感してしまう。

 それを「おまえはそんなに偉いのか」と言ってしまえる祐巳はすごいなと思う。頭が上がらないわけで。

 運動部と文化部の争いや先輩に難題をふっかけられるという舞台設定ではあっても、このあたりはとても清々しくて好きだった。


「釈迦みて」単体でも十分楽しめると思うけれど、全体的に「マリみて」無印と通じる部分があって、そちらも読んでいるとより楽しいと思う。
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