深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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吉本隆明『情況への発言全集成1』
「情況への発言」全集成 1 1962~1975 (1) (Modern Classics新書 24)「情況への発言」全集成 1 1962~1975 (1) (Modern Classics新書 24)
(2008/01)
吉本 隆明

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 この文章は、この三馬鹿連中が露出したがっている<戦争>中に、ヤミ族について書かれたものだぜ。ほんとうに<錆びていない槍>を<幻視>したいのなら、また<戦争>をみたいのなら、わたしたちのなんの変てつもなさそうな日常の周辺を視れば充分である。この<平和>な日常性に<戦争>を視る方法をもたないものが、どこで<戦争>をみつけることができよう。かれらは<戦争>を、銃撃バンバン、斬り込み、ゲリラの槍、とおもいこんでいるのだ。ようするにチャンバラ小説クラスの想像力しかないのだ。<戦争>を体験し、いまはマイホーム父親になりすましている五十以上の男たちに、<戦争>って何だと訊ねてみるとよい。<荷物ばかり背負うこと>、<歩いてばかりいること>……というような、平凡で散文的で、きつい応答がはねかえってくるだろう。自衛隊の幹部軍人などに訊ねてみてもだめだ。かれらは変身の方法を知らない頓馬な<露出した戦争>野郎であり、軍人として三流以下のハリコの虎である。ほんとうに優れた軍人、兵士であったもの、それは、たぶん、無気力なボロカバンを提げて、毎日、近づいた定年をおそれながら、会社に通勤しているような、中老のサラリーマンなどに<変身>しているにきまっている。だからこそ、こういう人々の無気力さに<畏敬>と<怖ろしさ>を視ることができないものには、たぶん永久に<戦争も><革命>も見えるわけがないのだ。

吉本隆明『情況への発言全集成1』


 いつもどおり図書館に山本七平さんの本が並んでいるコーナーに行くと、ふとこのシリーズが目に留まった。

「そっか。『や』と『よ』だからな」と思いながら手にとってみると、値段はやや高めだが新書サイズで手頃。

『ひきこもれ』は興味深く読めたものの、次に何を読むかなかなか決めあぐねていた折柄、いい機会だと思い読んでみることにした。

 本書は雑誌「試行」に連載されていた時事評論を集めたもの。この一巻には1962年から1975年までのものが収録されている。
 嬉々として借りてきたものの、当時の「情況」、特に論壇について全く知らないので、読んでいてもあまりよくわからない(最近こればかり言っているが)というのが正直なところ。

 しかし論争相手を声を荒げて罵倒する姿は痛快で、おもしろい。江戸っ子という感じがする。

 わからない部分も多いながら、連合赤軍事件を「異常」なものと排斥しないところ、引用したところのように日常生活に戦場を見ようとするところはとてもいいなと思った。
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