深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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岡崎久彦『戦略的思考とは何か』
戦略的思考とは何か (中公新書 (700))戦略的思考とは何か (中公新書 (700))
(1983/01)
岡崎 久彦

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 戦争の発端は偶発事件で、そこでお互いの思惑がからんで事態が発展して戦争になる。戦争が始まった以上事の勢いである程度いきつくところまでいかねばらない、しかしそこから先、国家、民族の存亡を賭けるかどうかというかということになると、まあ適当なところで手を打とうということになる――これはきわめてありふれた戦争のかたちです。
 むしろ、ここで我々が考え直さねばならないのは、核兵器の発達と東西のイデオロギー的対立、それから第二次大戦の記憶がまだ新しいために、人類の破滅に至る戦争とか、世界最終戦争とか、もう世の中はすっかり変ってしまった、というような考えに圧倒されてしまって、千古不易の戦争の本質というものを見落しがちだったということです。

岡崎久彦『戦略的思考とは何か』


 戦略というと最近は専ら企業戦略の話になるけれど、本書は日本の外交戦略、安全保障戦略について書かれたもの。

 日本のナイーヴで楽観的な外交と戦略性のなさを日本人は論理的思考に弱いからと指摘し、主に歴史と地理的要因からその戦略論を語っている。

 著者は、極東を支配する力の構造は英米といったアングロ・サクソン系とロシアという二極構造であるとし、ここさえ押さえておけば大きな失敗はないという。
 第二次世界大戦もこの構造を無視して英米と対立し、アジア主義を掲げ、第三極をつくりあげようとしたところにあったと批判する。

 そしてドイツ的な現在の戦力でいかにミッションを達成するかという任務遂行型ではなく、アングロ・サクソン系の客観的な情勢、戦力についての情報から戦略を考える情報重視型を根づかせようとする。

 25年ほど前に書かれた本であり、冷戦時の構造を前提に議論されているので古さを感じるところもある。

 著者の言うように、日本では戦略論を教わるということはなかなかないので読みにくかったけれども、その考え方は新鮮でおもしろかった。
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