深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
レフ・トルストイ『懺悔』
懺悔 (岩波文庫 赤 619-0)懺悔 (岩波文庫 赤 619-0)
レフ N.トルストイ,原 久一郎

岩波書店
売り上げランキング : 49389

Amazonで詳しく見る

 実際、鳥は翔び、食物を集め、そして巣を作らなければならないように、この世の生をうけているのだ。そして私は、鳥がそういう仕事をやっているのを見る時に、彼らの喜びをうれしく思うのである。また山羊や兎や狼は、身を肥やし、子を生み、子供たちを養わなければならないように、この世の生をうけている。そして彼らがそうした仕事をやっている時、私の胸には、彼らは幸福でありその生活を正しいという、堅い認識が生まれるのである。しからば人間はいかなることをなすべきであるか? 人間もまた動物と同じように、その生活をいとなまなければならないが、ただ、自分一人でそれをやったら人間は滅亡しなければならないのであって、あくまでもそれを自分一人のためではなく、万人のために行わなければならないのだという、この点に相違が存するのである。で、人間が自分一人のためではなく万人のために生をいとなんでいる場合、私の胸には、あの人は幸福だ、あの人の生活は正しいという、堅い信念が湧き出るのである。それでは一体この私は、三十年にわたる意識的生活において、そういうことをやって来たか? 私は万人のための生活をしなかったばかりでなく、自分一人のためにさえ、生活の資を稼ごうとしなかった。まるで寄生虫のような生活を続けて来た。そして、何のために自分は生きているのか? と自分にたずねて、何のためでもない、という答えを得たのである。人生の意義が、それを守り立てるということに在るならば、三十年の間、自己のためまた他の人々のために、これを守りたてるということではなく、絶滅させるということに従事して来たこの私が、《自分の生活は飽くと無意味の連続である》という解答以外、いかなる解答をも得られなかったのはむしろ当然である。

レフ・トルストイ『懺悔』


 この前、小林秀雄の『作家の顔』を読んだとき、トルストイの「わが懺悔」について絶望から立ち上がろうとした作品だと触れており、やっぱりいつかは読まねばと思っていた。

 そんな折も折、2月の岩波文庫の復刊で、この『懺悔』が重刷されることを知って、これは良いタイミングと思って読んでみることにした。

 作家として世界的な名声を得て何不自由なく暮らすことのできるはずのトルストイだったが、壮年に差しかかり、人生は無意味という絶望に取り付かれてしまう。その苦しみとそれをどのように乗り越えたかを克明に記したのがこの『懺悔』になる。
[レフ・トルストイ『懺悔』]の続きを読む
スポンサーサイト
NHKラジオ「英語で読む村上春樹」
NHK ラジオ 英語で読む村上春樹 2013年 04月号 [雑誌]NHK ラジオ 英語で読む村上春樹 2013年 04月号 [雑誌]


NHK出版

Amazonで詳しく見る

NHK ラジオ 英語で読む村上春樹 2013年 05月号 [雑誌]NHK ラジオ 英語で読む村上春樹 2013年 05月号 [雑誌]


NHK出版

Amazonで詳しく見る

沼野 『世界文学とは何か?』の著者であるデイヴィッド・ダムロッシュ、世界文学の定義を「翻訳によって何か新しい価値を得る作品」と言っています。つまり彼の言う世界文学と言うのは、もとの国から別の国へと旅することが前提なんですね。だから、例えば司馬遼太郎がいくらすごい作家でも、日本の国内でしか読まれないならば世界文学ではないということになります。
(中略)
 翻訳論というと、語学的なレベルでここが誤訳だとか、文法的に取り違えているといった話になりがちですけれど、実は文化の翻訳と言うのは正しいも間違っているもない。違う文脈に移したら同じ表現が違う意味を担うことがしばしばあるわけですから、その違いそのものを考えるのが面白いのではないかと思いますね。

『英語で読む村上春樹 5月号』


 ラジオといえば、この4月から始まった「英語で読む村上春樹」も聴き始めました。テキストを買ってラジオ講座を聴くというのも久しぶりのことです。

 この講座がスタートすると聞いたときは、何で村上春樹なんだろうと思いました。普通に英語圏の作家による作品を取り上げてくれればいいのに。もともと日本語の作品を英語で読まなくてもと。

 ところが講師がロシア文学の翻訳で知られる沼野充義さんだと知り、試しに聴いてみようかと思うようになりました。
[NHKラジオ「英語で読む村上春樹」]の続きを読む
カルチャーラジオ「国際社会の中の日本」
SANYO ICレコーダー ポータブルラジオレコーダー ICR-RS110MF(S)SANYO ICレコーダー ポータブルラジオレコーダー ICR-RS110MF(S)


三洋電機
売り上げランキング : 32501

Amazonで詳しく見る

 3年前のゴールデンウィークのアニソン三昧を録音する目的で三洋電機の ICR-RS110MF を購入したのが、普段使わないのももったいないのでNHKラジオの文化番組を録音する役目になっています。

 大体、一週間録りためたものを iPhone に入れてトレーニングをするときなどに流している。テキストまで買うことは少なく漫然と聴いているだけなのですが……。

 この4月の日曜版のカルチャーラジオでは、「国際社会の中の日本」というテーマで、国際関係学を専門にしている方や世界各地で活躍している方のお話を聴くというものでした。
[カルチャーラジオ「国際社会の中の日本」]の続きを読む
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。