深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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サマセット・モーム『女ごころ』
女ごころ (新潮文庫)女ごころ (新潮文庫)
モーム,William Somerset Maugham,竜口 直太郎

新潮社
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「あたしがたいていの女の人よりもきれいだということ、自分で知らないとしたら、よっぽどどうかしてますわ。自分には人に与えるべきあるものが備わっていて、与えられた人にとって、それは非常に大きな意味をもつものだってこと、あたしもときたま感じたことは確かですわ。そういうと、ひどくうぬぼれてるように聞こえますかしら?」
「いいえ、明々白々な事実ですよ」
「近頃のひまな時間がずいぶんとあったんですけど、どうやらつまらないことを考えてほとんど過ごしてしまったようですわ。もしあたしが愛人を持ったとしても、あなたのような男ではなかったでしょうよ。お気の毒さま。どう転んでも、あなたとなんて真平ですわ。でも、あたしときどきこんなこと考えてみたことがあるの。もしあたしが、だれか貧乏な、独りぼっちの、不幸な人に出会って、その男がかつて楽しみなどいちども味わったことがなく、金で求められるいろんな素晴らしいこともひとつとして知らず――そして、もし彼にこのあたしが、比類のない経験、至上なる幸福の一時間、彼がかつて夢みたこともない、そしてまた決して二度と繰り返されることのない何かを与えてやれるとしたら、そのときはあたし、喜んで彼にすべてを与えてやろう、と――」

サマセット・モーム『女ごころ』


 最近『マネジメント』など、長い作品ばかりを読んでいるので、少し息抜きに短いものをということで、ずっと前に古本市で投げ売りされていた本書に日の目を当ててみる。

『月と六ペンス』はとても面白く読めたし、『人間の絆』の「人生とはペルシャ絨毯のようなもの」という言葉は強く印象に残っている。しかし、モームの人間に対してシニカルな
態度があまり好きになれず、その他の作品を手に取ることはなかった。

 けれど行方昭夫さんの『英文の読み方』など英文読解本でおなじみで、特にエッセイなどにおもしろいものが多かったので、もう少し色々読んでみたいと思っている。
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ピーター・ドラッカー『マネジメント』
マネジメントI 務め、責任、実践 (日経BPクラシックス)マネジメントI 務め、責任、実践 (日経BPクラシックス)
ピーター・ドラッカー,有賀 裕子

日経BP社
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 理由はいつも同じである。「完璧な」判断などありえないのだ。必ず何らかの犠牲を伴う。「どうしても必要なもの」についても、どれかは必ず後回しにしなくてはならない。目標、意見、優先順位などを調整しなくてはならない。最善の判断といえども、しょせんは「完璧に近い」というだけで完璧ではない。しかも、リスクが伴うのだ。そのうえ、関係者に判断を受け入れてもらったり、強硬に反対している人を説得したり、リスクを抑えたりするために、必ず妥協が求められる。
 このような状況のもとで効果的な判断を下すためには、「誰が正しいか」ではなく、何が正しいかについての立場を、最初から最後まで守りとおす必要がある。いずれは妥協しなくてはならないが、そうはいっても、客観的な要求条件を満たす判断にできるだけ近いところから出発しないかぎり、誤った妥協をしてしまうだろう。つまり、譲るべきではないところで、譲ってしまうものだ。

ピーター・ドラッカー『マネジメント 3』


「もしドラ」のところでも触れたけれども、ドラッカーの『マネジメント』はかつて2分冊で刊行されていたものの、600ページ以上ある分厚い本に小さな文字がびっしり詰まっていて、とても図書館の返却期限内に気軽に読めるようなものではなかった。

 そのため「もしドラ」のみなみちゃんも読んでいた「エッセンシャル版」という1冊にまとめたものが刊行されている。こちらは以前購入して興味深く読めたものの、やはりどこか味気ない感じはあった。

 ところが「もしドラ」のヒットで「マネジメントブーム」が起きたおかげか、近所の図書館にもいつの間にか新訳の「4分冊版」が所蔵されていた。

 この「4分冊版」は400ページほどにはなるものの、ソフトカバーで持ち運びしやすく、文字も詰まっていないのでかなり読みやすい。これなら読めるかもしれないということで再び挑戦してみることにした。
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クリス・アンダーソン『フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略』
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明

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 アトム経済においては、私たちのまわりにあるたいていのものは、時間とともに価格が高くなる。一方、オンラインの世界であるビット経済においては、ものは安くなりつづける。アトム経済はインフレ状態だが、ビット経済はデフレ状態なのだ。
 二〇世紀は基本的にアトム経済だったが、二一世紀はビット経済になるだろう。アトム経済における無料とは、何かほかのものでお金を払わされることで、まるでおとり商法のようだった。結局はお金を払わなければいけないのだ。しかし、ビット経済の無料は本当にタダで、そもそも金銭がその方程式からとり除かれていることも多い。人々はアトム経済では「無料]]と聞くと当然ながら疑いを抱いたが、ビット経済では当然のように信頼する。彼らは両者の違いや、オンラインでフリーがなぜうまく機能するかを直観的に理解しているのだ。

クリス・アンダーソン『フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略』


 昨年末ぐらいだったと思うけれど、Apple Store の無料アプリランキングに入っていたので、何気なくダウンロードした「FREE」というこのアプリ。中身は本が一冊まるまる読めるようになっている電子書籍アプリでした。

 ダウンロードしたはいいものの無料ということで内容は全く期待しておらず、ずっと放置していました。ところが、つい最近になって読み出してみると、意外にもしっかりした内容で面白い。これ無料でいいのと思って Store にレビューを見に行くと\1,000 になっていました……。

 コンテンツビジネスが無料化していく経済状況をまとめるという趣旨に基づいて、アメリカでは電子版が無料配信されたという本書ですが、日本ではそこまではできず限定で無料となっていたようです。
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