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深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
須賀しのぶ『神の棘 2』
神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)神の棘 2 (ハヤカワ・ミステリワールド)
須賀 しのぶ

早川書房
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 乱れのない兵士の動きは、美しかった。日々繰り返される行為の中に、意思はない。一片の感情もないからこそ、彼らの動作は淀みなく、完璧に揃っていた。
 命令には無条件に従う。内容は問わない。なぜならそれは命令だから。自分の意思はない。責任はない。それがSS。それが、ドイツ人。

須賀しのぶ『神の棘 2』


『神の棘 1』に続いて、『神の棘 2』を読み終わる。二ヶ月連続刊行の書き下ろし作品もこちらで完結。

 この2巻では、出世街道を外れたアルベルトが前線へと転戦、ロシアやイタリアでパルチザンの掃討など、危険でありながら正規軍のやりたがらない汚れ仕事を担当する姿が描かれていく。

 一方のマティアスはイタリアで衛生兵として従軍し、支援活動を行う中で、連合軍が救世主でもなんでもないことを目の当たりにし、聖職過程を終えていない修道士の身でありながら死にゆく兵士たちへ聖体の秘蹟を行えないかと考えるようになる。
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