深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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手塚治虫『きりひと讃歌』
きりひと讃歌 (1) (小学館文庫)きりひと讃歌 (1) (小学館文庫)
(1994/11)
手塚 治虫

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あなたはイエスのように
嘲笑と蔑視の中に
一生をおわるかもしれない
たえられないような
苦しみを続けるかもしれない

だが ミス・ヘレン
それを神から あたえられた
試練だとは思いませんか?
それにたえて つよく
りっぱに生きぬこうと
思わないのですか?

手塚治虫『きりひと讃歌 第1巻』


『MW』の記事で触れた「手塚治虫アプリ」(iTunes Storeへのリンク)が、当初10月まで配信の予定だったものが来年3月まで延長された。今も毎週楽しみにしている。

『MW』のような、劇画タッチでややグロテスクのものに惹かれることが多い。何だかなと思うものの、いくつか続きが気になるものを読んでいきたいなと思っている。

 そのうちの一つがこの『きりひと讃歌』。医学部出身の手塚治虫が『ブラックジャック』の3年前に描いた作品で、医学会の暗部を描いた作品。
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マーク・ピーターセン『心にとどく英語』
心にとどく英語 (岩波新書)心にとどく英語 (岩波新書)
(1999/03)
マーク ピーターセン

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 英語の構造を支えている基本論理の中では「定冠詞・不定冠詞の使い分け」ほど重要なものはないと言ってもよいほどであるが、日本語の表現には、それにちょうどあてはまる使い分けがない。そこで「常識的解釈」に任せているわけだが、英語でも同じようにさほど気にしなくても通じるだろうと考えるとすると、それは完全な誤解である。問題は、日本語では常に曖昧な表現ですむところが、英語では曖昧な形にすらできないということだ。たとえば、日本語で「問題の解決」と言うのに、英語では、a solution to a problem; a solution to (the) problem(s); the solution(s) to the problem(s); solutions to problems などなどがあり、どれも具体的な意味が異なるが、最も「問題の解決」に“見える” solution to problem という英語だけは存在しない。表現する前に、思い切ってthe God だと主張するのか、それとも、とりあえず a god にしておくのか、それが常に英語の世界では問題となるのだ。

マーク・ピーターセン『心にとどく英語』


 最近『続 日本人の英語』を読んだが、著者の岩波新書3部作といえる本書の存在を知り読んでみることにした。

『日本人の英語』『続 日本人の英語』がどちらかといえば、英語を書くこと読むことが中心だったのに対し、本書では会話表現を取り上げ、このタイトルになっている。

「まえがき」で著者は「私は行きます」と「行くのです」の違いを質問された経験を挙げ、ネイティブにはわかりきったことでも、他国語使用者にはニュアンスの違いがわかりにくい部分を解説していく。
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金哲彦『金哲彦のランニング・メソッド』
金哲彦のランニング・メソッド金哲彦のランニング・メソッド
(2006/11/15)
金 哲彦

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 さて子どもはなぜ、だれに変わったわけでもないのに、自然にきれいなフォームで走ることができるのでしょうか? その答えは簡単です。子どもは筋力がなく、骨格にも変なクセがついていないので、大人と違ってよけいな部分に力が入ったり、カラダのクセによってフォームが乱れたりすることが少ないのです。だからカラダは、動き易い方向に自然に動いていきます。
 ランニングの理想は、カラダが元来もっている性能を活かした走り方をすることです。つまり、これから紹介する走りのコツは、仕事や火事でついたカラダのクセを元に戻すことなのです。しかし、それらのコツは緊張した状態ではうまく実践できません。体をリラックスさせて行なうようにしましょう。

金哲彦『金哲彦のランニング・メソッド』


 ジョギングを始めようと、『3時間台で完走するマラソン』を少し前に読んだ。マラソンを完走するために必要な情報を総合的に扱っていて興味深かった。

 しかし新書という体裁上、どうしてもテキストが主体になってしまうため、よいフォームというものがわかりにくいところがあった。

 本書は、正しい走り方を身につけるにはどうすればよいかということに焦点を当てて、豊富なカラー写真を使ってランニングのフォームを解説したもの。
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フラナリー・オコナー『存在することの習慣』
存在することの習慣―フラナリー・オコナー書簡集存在することの習慣―フラナリー・オコナー書簡集
(2007/03)
フラナリー オコナー

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人生の習慣(ハビット)人生の習慣(ハビット)
(1992/09)
大江 健三郎

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 あなたは、「解放され」得る教会ではなくて、「自然の理にかなうように実証され」得る教会を求めているのだと思います。こうした超自然的教理についての科学的説明だの暗示だのがあれば、受け入れるのでしょう。人間が手持ちの才覚で知り得ることの中にこういう教理をはめこむことができれば、受け入れるのでしょう。もしこれが宗教でなくて知識、それとも仮定だったら受け入れるのでしょう。現代では、まわり中どこを見ても、宗教的成分を抜きにした「宗教」なるものを受け入れる人ばかりです。あなたの問いかけはこういうことです。決して理解できない神秘について実証的な説明を見つけ、なおカトリックであり得るとしたら、あなたはなにかを信仰のかわりに置き換えて、それでもカトリックでいられるだろうかと問いかけているのです。その答えは否です。

フラナリー・オコナー『存在することの習慣』


 ここ最近はほとんどフォローしていないが私は大江健三郎さんのファンで、数だけはそれなりに読んでいる。

 フラナリー・オコナーを知るきっかけになったのも、彼女の影響を受けて描かれた『人生の親戚』でだった。ただ『人生の親戚』はあまり好きな作品ではない。痛々しさだけが強く残っている。

 そのままで終わってしまうところ、古本屋で入手した大江さんの講演集『人生の習慣(ハビット)』がオコナーに関心を持つきっかけになった。
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カート・ヴォネガット『ジェイルバード』
ジェイルバード (ハヤカワ文庫 SF (630))ジェイルバード (ハヤカワ文庫 SF (630))
(1985/09)
カート・ヴォネガット

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 エレベーターにむかう途中で、わたしはフランスドアの跡にできた殺風景な壁の前を通りかかった。つかのま、わたしは立ちどまった。唇が、一瞬自分でも理解できないなにごとかをつぶやいた。それから、やっとわたしは、唇がどんな言葉をいったにちがいないか、どんな言葉をいわずにいられなかったかをさとった。
 その言葉とは、もちろん――「ボン・ナペッティ」

カート・ヴォネガット『ジェイルバード』


 私はあまりヴォネガットのよい読者ではないのだが、古本屋で本書を見つけ「訳者あとがき」を読んでいると、ヴォネガット自身が『タイタンの妖女』や『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』などと同等の評価をしていることを知り読んでみることにした。

 本書はウォーターゲート事件で囚人(ジェイルバード)となったウォルター・スターバックが釈放されてからの足取りを追いながら、自らの人生を振り返っていく形をとった小説。

 19世紀の労働争議に始まり、労働運動の盛り上がりとサッコ=ヴァンゼッティ事件という国家の抑圧、戦後の赤狩りなどを描きながら、次第に超巨大資本RAMJACコーポレーションと主人公の接点が浮かび上がっていく。
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