深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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阿川尚之『憲法で読むアメリカ史』
憲法で読むアメリカ史(上) (PHP新書)憲法で読むアメリカ史(上) (PHP新書)
(2004/09/16)
阿川 尚之

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憲法で読むアメリカ史 下 PHP新書 (319)憲法で読むアメリカ史 下 PHP新書 (319)
(2004/10)
阿川 尚之

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 それでもなお、連邦政府、特に大統領の権限拡大によって、憲法上戦争開始後のアメリカ合衆国は戦前とはまったく違う国となる。戦前唱えられ広く信じられた、合衆国は主権を有する州の自由な連合であり連邦政府は弱い存在であるという理論と現実は、リンカーン大統領の戦争政策遂行によって完全に打ち破られた。そして北部の勝利が目前に迫ると、連邦が主権をもつ独立の存在であり連邦からの離脱が不可能であることを疑う人は、もはやいなかった。ここに初めて、アメリカ合衆国は一つの国家になったとさえ言えよう。

阿川尚之『憲法で読むアメリカ史 上巻』


 これはタイトルが秀逸。ブックオフで上巻を見つけて、そのまま下巻にも手が伸びてしまった。

 本書は駐米公使としてアメリカで活躍している著者が、合衆国憲法の変遷をたどりながら、アメリカの来歴を描いたもの。

 上巻では州の強くばらばらだったアメリカが南北戦争を通じて一つの国家としてまとまっていくまでを描いている。

 下巻では、奴隷解放後の人種差別の問題やデュー・プロセス条項を通してより現代的な人権・経済問題に対応していく過程が描かれる。
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木村剛『投資戦略の発想法』
投資戦略の発想法〈2008〉投資戦略の発想法〈2008〉
(2007/12)
木村 剛

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 投資戦略は小手先の技術ではありません。
 長期的に継続して実行する骨太のポリシーでなければならないのです。
 素人が小手先の投資技術にいくら精通したところで、投資には決して成功しません。格付けがどうだとか、一株当たりの利益がどうだとか、はたまた株価チャートの型が絶好の買い場を示しているとか、冴えない株式評論家の言うことを一生懸命真似したところで、財安を形成する事に何ら役立たないのです。
 たしかに投資を実践する際には、多くの金融知識が必要です。知識はあればあるほどよいかもしれません。マネー雑誌や株式必勝本には「知識」があふれていて、、ゲップが出そうなほどいろんなことが書いてあります。しかし、そこには重要な何かが欠けている。骨太の何かが欠落しているのです。

 それは、「将来の危機管理」という視点です。
 いま世の中にあふれている小手先の投資技術論には、「将来の危機管理」という視点がすっぽりと抜け落ちているのです。個人投資家にとって最も重要な危機管理という部分が語られていない。わたしはそこに大きな危惧を感じます。木村剛『投資戦略の発想法』


 改訂版が出たせいなのかよくわからないけれど、旧版を安く見かけるようになったので読んでみることにした。

 最近の株価の急激な下落で証券会社への口座開設申込も増えていると聞く。かくいう私も証券会社のページを眺めたりしていた。

 本書は自分と家族を守るという視点から、投資活動全般や個人の財産形成にについて解説した入門書。
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ル・クレジオ『海を見たことがなかった少年』
海を見たことがなかった少年―モンドほか少年たちの物語 (集英社文庫)海を見たことがなかった少年―モンドほか少年たちの物語 (集英社文庫)
(1995/06)
ル・クレジオ

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 陽光が海に強く照りつけ、冷たい風のおかげでリュラビーは力が戻ってくるのを感じた。彼女はまた嫌悪感を、そして怒りを感じ、それが少しずつ不安にとって代っていった。それから不意に彼女は、断じて自分には何事も起こり得ないということがわかった。それは風であり、海であり、太陽だった。彼女は父親がある日、風と海と太陽について言ったことを思い出した――自由と空間、なにかそんなことについての長い言葉だった。リュラビーは海に突き出た軸先の形をした岩の上で立ち止り、額と瞼にもっとよく光の熱が感じられるように頭をのけぞらせた。血からを取り戻すためにそうすることを彼女に教えてくれたのは父親だった。彼はそれを「陽の光を飲むこと」と呼んでいた。

ル・クレジオ「リュラビー」より


 今年のノーベル文学賞を受賞したル・クレジオ。昔買ったまま積読になっていたので読んでみることにした。

 原題は「モンドほか子供たちの物語」で子どもたちを中心にした8編の短編が収録されている。

 訳者によると著者の第二短編集で、凝った文章から単純平明な作風に移行していく段階のものだという。
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ふじいのりあき『ロードバイクの科学』
ロードバイクの科学―明解にして実用!そうだったのか! 理屈がわかれば、ロードバイクはさらに面白い! (SJセレクトムック No. 66)ロードバイクの科学―明解にして実用!そうだったのか! 理屈がわかれば、ロードバイクはさらに面白い! (SJセレクトムック No. 66)
(2008/03)
ふじい のりあき

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 まず走行中クランクを止めて水平にし立ち上がります。手はブレーキブラケットを持ちます。膝はちょっと曲げ、足首のスナップを使うようにして飛び上がります。そのとき、まっすぐ上でなく、ハンドルを斜め45度くらいに持ち上がるような角度で飛び上がります。着地は、なるべく衝撃が少なくなるように膝でショックを吸収します。これだけです。ペダルはビィンディング式でなくてもできます。その場合、着地のときのペダルを踏み外さないよう注意してください。まっすぐ上に飛んでしまうと前輪だけしか上がりませんが、斜め前に飛ぶと前後輪が同時に上がるようになります。着地のときに方向が曲がらないようにします。飛ぶ高さはほんの少しでよく、飛べなくても体重が抜けるだけでも良いです。

ふじいのりあき『ロードバイクの科学』


『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』と同様にAmazonで自転車の本を探していたら目についた本。

 本書は本田技研のエンジニアで自転車の愛好家である著者が、自転車に関する様々な疑問に科学的に取り組んでいくもの。

 自転車で走るときの抵抗やブレーキング、コーナリング、エネルギーの消費や街の中での安全な乗り方、果ては手組みホイールの組み方まで解説されている。
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岡本浩一『上達の法則』
上達の法則―効率のよい努力を科学する (PHP新書)上達の法則―効率のよい努力を科学する (PHP新書)
(2002/05)
岡本 浩一

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 したがって、このように考えてくると、技能に上達した状態とは、つぎのような状態であるとまとめることができる。

(1)技能に必要な宣言型知識と手続き型知識が豊富に長期記憶に蓄えられていること。
(2)必要な知識が、必要に応じて長期記憶から検索できること。
(3)検索できた長期記憶が、ワーキングメモリで有効に用いられること。

 上達した状態が上記のような状態だと考えると、上達という現象をつぎのように考えることができる。

(1)宣言型知識と手続き型知識の長期記憶を豊富に効率よく形成すること。
(2)長期記憶に貯蔵された知識が効率よく検索できる状態を形成すること。
すなわち、(a)必要な知識を早く検索し、(b)関係ない知識を誤って検索しない状態に長期記憶が形成されること。そのためには、検索に用いられるインデックスが確実に形成され、そのインデックスがシステマティックにできている状態が維持されること。
(3)長期記憶から検索された知識が、ワーキングメモリに出力されても、ワーキングメモリに余裕がある状態を維持できること。そのためには、多くの知識が少ないチャンク数で表象される状態ができること。

岡本浩一『上達の法則』


『最強の英語上達法』がなかなか興味深かったので、著者の専門の心理学の本も読んでみた。

 本書はある物事をなすときに、初級者と上級者がどのように違うかなど、物事に上達していく過程を心理学的に解説しようと試みたもの。

『最強の英語上達法』と同様に、ワーキングメモリやスキーマといった理論からモデルを構築し、豊富な例を使用して上達に関する法則を説明している。
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飯田泰之『考える技術としての統計学』
考える技術としての統計学―生活・ビジネス・投資に生かす (NHKブックス 1101)考える技術としての統計学―生活・ビジネス・投資に生かす (NHKブックス 1101)
(2007/12)
飯田 泰之

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 不確実性と上手に付き合い、飼いならしていくためには、許容できる「誤りの大きさ」「誤りの種類」を決めておかねばなりません。その基準となる有意水準を5%にするのか、1%にするのか……またはもっと厳しい基準にするのかは、なかなかの悩みどころです。有意水準を厳しくすると第一種過誤の発生は減少しますが、そのかわりに第二種過誤が起きる可能性が高まります。有意水準を緩くした場合には第二種過誤を防ぐことができる一方で、偶然にすぎない数値を採用するという第一種過誤の危険性にさらされます。
 このようなトレードオフ問題があるときには、あなたが今考えようとしている問題の性質を見きわめる必要があります。
 たとえば、恐ろしい伝染病の病原として疑われているXという物質があったとします。しかし、あなたはどうもXは病気の原因ではないのではないかと考えています。このとき、あなたは「Xが病原である」という帰無仮説を検定しようとするでしょう。ここで第一種過誤を犯して「Xは伝染病の病原ではない」と結論してしまったならば大変なことになります。このような場合には、有意水準はきわめて厳しく設定して第一種過誤の発生を食い止めなければなりません。
 一方、アイデアだしのためにさまざまなデータを検討しているといったケースでは、「新しい事実(かもしれないもの)」を見落とすことで新たなチャンスを失わないように有意水準は低めにしてもかまわないでしょう。

飯田泰之『考える技術としての統計学』


『その数学が戦略を決める』などで書かれていたように、統計は役に立つ重要なツールだと思う。しかし学生時代から苦手感は抜けない。

『歴史が教えるマネーの理論』がおもしろかったので、著者の本を探していたところ、統計学の本も書かれているようだったので手にとってみた。

 タイトルからは『統計でウソをつく法』や「クリティカル・シンキング」関係に近いのかなとイメージを抱いていたけれど、そういった面も兼ね合わせた統計の入門書といった感じ。
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ランス・アームストロング『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』
ただマイヨ・ジョーヌのためでなくただマイヨ・ジョーヌのためでなく
(2000/08)
ランス アームストロング

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「人間」の定義の一つはこうだ。「人間のもつ、神や動物や機械とは違う特徴は、弱さの影響を受けやすいことで、これこそが人間の特質である」。運動選手は、あまりこのようには考えない。競技者は無敵のオーラを求めるのに忙しすぎて、恐怖や弱さ、無力、もろさ、誤りやすいといったことは認めたがらず、同じ理由から、彼らは自分にまたまわりの対しても人間に対しても、それほど親切でも思いやり深くも慈悲深くも優しくも寛大でもない。しかしあの日の夜、家で一人で座っていると、おびえるのは謙虚なことであり、それ以上に人間らしいと思えた。

ランス・アームストロング『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』


 Amazon などで自転車の本を検索していると、嫌でもまっ黄色な表紙と、マイヨ・ジョーヌという耳慣れない言葉のこの本が目に留まる。

 調べてみるとマイヨ・ジョーヌとはロードレースの最高峰ツール・ド・フランスで総合成績が1位の選手に贈られる「黄色いジャージ」のことだという。

 著者のアームストロングは、睾丸癌が見つかり生存率5割以下といわれながら、癌を克服しこの過酷なレースで七連覇という偉業を達成した人物だという。

 本書は癌克服から初めてツール・ド・フランスを制覇した時期に書かれた著者自身の半生を綴った自叙伝。
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飯田泰之『歴史が教えるマネーの理論』
歴史が教えるマネーの理論歴史が教えるマネーの理論
(2007/07/27)
飯田 泰之

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 このような、ある政策が成功であったか否かは、何を政策目標と考えるか――より具体的には誰の生活を改善するための政策なのかによって、180度変わってしまいます。これは現代にまで続く大きな問題でしょう。
 1990年代のデフレを生じさせた経済政策は失敗であったと考える人は多いでしょうが、これはあくまで「平均的国民の経済厚生」が政策の目標であるとした場合の話です。
 リストラの心配が薄く、給与金額が低下しにくい産業に勤める人は、1991年から2000年にかけて、定期昇給以外で、15%近い実質的な給与の上昇を経験しています。そして預貯金を中心とした消極的資産運用をしている引退世代にとっても、預貯金の実質的な価値上昇を通じた利得が生じています。
 自身の実質的な所得が上昇する一方で、その他の人びとの経済水準は相対的に低下するわけですから、デフレを容認する政策は(そのような人にとっては)決して「まずい」政策運営ではありません。

飯田泰之『歴史が教えるマネーの理論』


 こちらも意欲的に著作を出している印象のある新進気鋭の経済学者飯田さんの著作で、一度読んでみたいと思っていた。

 本書は昭和の大恐慌や江戸時代の改革、幕末の金流失など、主に日本の歴史に題材をとりながら貨幣の理論について解説したもの。

 主体はあくまでも貨幣の理論を解説することにあり、歴史はその理論を裏づけるためのエピソードとして扱われている。
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今野緒雪『マリア様がみてる 卒業前小景』
マリア様がみてる卒業前小景 (コバルト文庫 こ 7-59)マリア様がみてる卒業前小景 (コバルト文庫 こ 7-59)
(2008/10/01)
今野 緒雪

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 「マリみて」の最新作が出ていたので読んでみた。発売から一ヶ月経ってしまったので、ネタバレ気にせずにいきます。

 タイトルからして今野さんならうまく料理するだろうなと思っていたが、大きな出来事は起こらないながら読んでいて、卒業という季節の空気が心地よい佳品でした。

「キラキラまわる」でもそうだけれど、これだけ長いシリーズに付き合ってくると、卒業前の一コマ一コマにもいろんな積み重なりがあって感慨深い。
[今野緒雪『マリア様がみてる 卒業前小景』]の続きを読む
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