深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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原作を読んで「思い出のマーニー」を振り返る
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 先日、スタジオジブリの映画「思い出のマーニー」を観てきたということを書きました。上映前はほとんど関心がなかったのに、いざ映画館に足を運んでみると、思いのほかおもしろく、観終わった後も心に残っています。

 映画化に合わせて新訳がなされ、文庫で手ごろに入ることも知り、早速買ってきて読んでみました。改めて原作を読んでみると、意外にもきっちりと原作を映像化しているんだなと感じます。

 映画だけでももちろん楽しめましたが、原作と合わせて読むとより楽しめるのではないかと思いました。ということで原作を読んだ上で、もういちど映画のことを振り返ってみようと思います。

 以下、内容についての言及を含みますので、映画を見ていない方はお気をつけください。
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Edith Nesbit『Five Children and It』

And they went home - very late for tea and unspeakably late for dinner. Martha scolded, of course. But the Lamb was safe.

'I say - it turned out we wanted the Lamb as much as anyone,' said Robert, later.
'Of course.'

'But do you feel different about it now the sun's set?'

'No,' said all the others together.
'Then it's lasted over sunset with us.”
“No, it hasn't,' Cyril explained. 'The wish didn't do anything to US. We always wanted him with all our hearts when we were our proper selves, only we were all pigs this morning; especially you,
Robert.' Robert bore this much with a strange calm.
'I certainly THOUGHT I didn't want him this morning,' said he. 'Perhaps I was a pig. But everything looked so different when we thought we were going to lose him.”

(拙訳)それから子どもたちは家に帰りました――お茶の時間には遅すぎましたし、食事にはお話にならないぐらい遅い時間でしたが。マーサはもちろん怒りました。でもラムは無事だったのです。
「だからさ、僕たちは誰よりもラムのこと必要だったってことだよ」ロバートは後になっていいました。
「もちろんだよ」
「でも、もう日が沈んじゃったから、気が変わっちゃったんじゃない?」
「そんなことないよ」他のみんなが一斉にいいました。
「じゃあ願いごとのききめが続いてるんだ」
「違うよ」シリルは説明しました。「願いごとは僕たちには何にもしてないのさ。僕たちがちゃんとしているときは、いつだってラムを心から必要としてるんだ。今朝は僕たち豚にでもなってたのさ。特に君だよ、ロバート」
 ロバートはしばらくじっとこの言葉をかみしめていました。
「ラムなんていらないって朝はたしかに思ったんだよ」彼は言いました。「きっとほんとに豚になってたのさ。でもいなくなっちゃうと思ったらすべてが丸っきり違って見えたんだ」

Edith Nesbit『Five Children and It』


 その昔、英文の多読を試していたときに、図書館で『Railway Children』の retold物を読んだことがある。話の筋まではっきりと覚えているわけではないが、ぬっと迫ってくる機関車の迫力のある場面が鮮やかに心に残っている。

 ここ最近『秘密の花園』を皮切りにバーネット夫人の作品を読んできて同じ作者つながりで読んでみようと思ったのだが、夫人の名前で探しても目当ての作品は見つからない。。わかってみれば何のことはない、作者はバーネット夫人ではなくイーディス・ネズビットだったのだ。

 そんなわけで、とんだ勘違いだったわけだけれど、とにもかくにもネズビットの代表作と思われる『砂の妖精』の原文をダウンロードして読んでみることにした。
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セルマ・ラーゲルレーヴ『ニルスのふしぎな旅』
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 ニルスはこんな口げんかを聞いてわらいだした。でも、みじめな自分のことを思いだすと、おかしいどころか、涙がにじんでくる。それでもしばらくすると、またおかしくなってわらってしまうのだった。
 ニルスは日ごろから馬に乗るのが好きだったが、きょうのように早く、あらっぽく乗りまわしたことはない。それに、空の上はこんなにも胸がせいせいすることや、下からは耕土や樹脂のにおいが、こんなに気持ちよくたちのぼってこようなどとは、夢にも思ったことがない。だいいち、こんなに地上はるか高くを飛んでいこうなどとは、まったく思いもよらなかった。こうしていると、ありとあらゆる心配や悲しみや苦しみから逃れて、飛んでいるような気がするのであった。

セルマ・ラーゲルレーヴ『ニルスのふしぎな旅(1)』


『臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ』以来ごぶさたになってしまっているが、大江健三郎は好きな作家の一人だ。単に作品だけでなく、W. B. イェイツフラナリー・オコナーらを知ったのも大江健三郎を通じてであり、大きな影響を受けている。

 そんな大江健三郎が少年の頃に魅了された冒険物語として『ハックルベリー・フィンの冒険』と『ニルス・ホーゲンソンのふしぎな旅』をあげているのは、ノーベル賞受賞講演の「あいまいな日本の私」でも触れられているので、比較的よく知られている話だと思う。

 そんなわけで「ニルス」はいつか読むと決めていたものの、「ハック」に比べると児童書レーベルからしか訳書が出ていない「ニルス」は、文庫版で四分冊ということもあって、なかなか手が出せずにいた。
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Frances Hodgson Burnett『Little Lord Fauntleroy』
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“I know that," said Fauntleroy, "and that's what makes me wonder. She told me not to ask you any questions, and—and I won't, but sometimes I can't help thinking, you know, and it makes me all puzzled. But I'm not going to ask any questions. And when I miss her very much, I go and look out of my window to where I see her light shine for me every night through an open place in the trees. It is a long way off, but she puts it in her window as soon as it is dark, and I can see it twinkle far away, and I know what it says."

"What does it say?" asked my lord.

"It says, 'Good-night, God keep you all the night!'—just what she used to say when we were together. Every night she used to say that to me, and every morning she said, 'God bless you all the day!' So you see I am quite safe all the time——”

(拙訳)「わかってます」フォントルロイは言った。「それがふしぎなんです。おかあさんはなにもきいてはいけないといったから――だからききません。でもときどきかんがえちゃうんです、だってすごくむずかしいことなんですから。でもぼくはなにもききません。おかあさんにとてもあいたくなると、ぼくはまどのそとをみるんです。おかあさんは木のあいだからぼくにみえるように、まいばんあかりをつけてくれるんです。とてもとおいけど、くらくなるとすぐにおかあさんは火をつけてくれて、とおくでそれがきらきらひかるのがみえて、おかあさんのこえがきこえるんです」

「何て言っているのかね?」伯爵はたずねた。

「こういっているんです。『おやすみ、眠っているあいだ神様があなたを守ってくれますように』って。ぼくたちがいっしょにいたとき、おかあさんはいつもそういってくれたんです。まいばんぼくにそういってくれて、それからあさおきると『今日一日あなたに神様の祝福がありますように』っていってくれたんです。だからぼくはどんなときもあんしんしていられたんです――」

Frances Hodgson Burnett『Little Lord Fauntleroy』


秘密の花園』『小公女』と英語で読んできたので、同じくバーネット夫人の『小公子』も読んでしまおうということで、iBooks でダウンロードして読んでみた。

 バーネット夫人はイギリスで生まれた後アメリカに移住したらしく、この『小公子』もアメリカとイギリスの二国を舞台に大きく展開する。書かれた時期としては、前の二作より古く、出世作となった作品らしい。

 ちなみに『小公女セーラ』と同じく、こちらも『小公子セディ』というタイトルで世界名作劇場枠でアニメ化されているらしい。
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リザ・テツナー『黒い兄弟』
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 ジョルジョは涙ぐんでいいました。「おばあさん、ぼく、いきたくないよ。怖いんだ。もう二度とソノーニョに帰ってこられないような気がする」
「おまえ、いくつになったんだい、ジョルジョ?」
「十三だよ」
「あたしが十三のときには、もう一年間もロカルノで奉公をしていたよ。とってもつらかったけどね。十三の男の子が、十二の女の子より弱虫なのかい? はずかしいね」
 ジョルジョは本当にはずかしいと思いました。そして、両手で涙をぬぐっていいました。
「もうだいじょうぶだよ、おばあさん」
「そうだよ、だいじょうぶにきまってるよ。怖いのだって、痛いのだって、すぎてしまえば、どうってことないさ」
 おばあさんはもう一度ジョルジョを見つめていいました。「さあ、おやすみ。明日は遠くまでいくんだからね」

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 この『黒い兄弟』は、今は出版事業から完全に撤退してしまったベネッセの前身、福武書店から出版されていたものです。福武文庫版を上下巻のうち片方ばかりしか置いてないのをブックオフなどでよく見かけるので気になりつつも、長い間手にとらないでいました。

 ところが、ひょんなことからそれがアニメ「ロミオの青い空」の原作であることを知りました。「ロミオの青い空」といえば、世界名作劇場シリーズで放映されていたもの。一応見ていたはずなのだが、煙突掃除の少年の話ということ以外はすっかり失念しています。

 ただ暗い煙突の中を光る空へとかけのぼっていくアニメーションと「街並 みおろすのさ 一番高い場所で」という煙突掃除の少年の心を切り取った歌詞のオープニングは忘れることができません。
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