深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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木村敏『異常の構造』
異常の構造 (講談社現代新書 331)異常の構造 (講談社現代新書 331)
木村 敏

講談社
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 しかし、私たちの周囲にいる多くの「狂人」たちが、まるで話の通じない、何を考えているかわからない。不気味な存在として正常人の眼にうつるのは、実はこのいわゆる正常人の側で、彼らの内心の声を聞こうとしないから、つまりは正常人が自分たちの「正常性」のみを唯一の「合法的」なありかたと思いこんでいて、彼らと同じ立場に自分を置いてみようとしないからだといわねばならぬ。彼ら狂人の側に身を置いて彼らに十分な発言の機会を与えてやりさえするならば、あるいは表現能力に乏しい患者の場合には、私たち正常人の言葉によってではなく、彼ら狂人の言葉によって彼らの表現を補ってやるような仕方で、彼らの話に耳を傾けるならば、すべての分裂病者はアンネと同じ意味のことを語るはずなのである。

『心理学の「現在」がわかるブックガイド』に、この『異常の構造』が紹介されていたことから、ちょっと読んでみようかと思った。

 著者は精神科医で、この本は精神分裂病(現在は統合失調症と呼ばれている)の症例を引きながら、「異常」の本質に迫っていくもの。

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平木典子『アサーション入門』
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)
平木 典子

講談社
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 さて、前の二つの自己表現の黄金率とも言えるバランスの自己表現、それが「アサーション(assertion)」あるいは「アサーティブ(assertive)な自己表現」です。
 その本質は、自分も相手も大切にしたコミュニケーションをすることです。
 すなわち、

 (1)自分の考えや気持ちを捉え、それを正直に伝えてみようとする
 (2)伝えたら、相手の反応を受け止めようとする。

ことです。
 コミュニケーションの中では、「話す」と「聴く」のあるやり取りとも言えるでしょう。

 アサーションとは、自分が話したいことを非主張的にも、攻撃的にもならず、なるべく率直に、素直に伝えると同時に、話した後には、相手の反応を待ち、対応することも含んだ表現です。
 たとえば、友人とお茶でも飲みながら話をしたいと思って率直に「お茶を飲みに行かない?」と誘うことはアサーションです。すると、友人から「行きましょう」と同意されることもあれば、「行けません」と同意されないこともあるでしょう。そのいずれに対しても、きちんと対応をしていくこともアサーションには含まれるということです。

平木典子『アサーション入門』


 以前アサーションの本を読んだことがあったけれど(『自己主張トレーニング』)、アサーションという言葉を調べていると、必ず平木典子さんの名前を目にすることになる。

 平木さんは1980年代に日本で最初にアサーションを紹介した人だという。『心理学の「現在」がわかるブックガイド』でも、『改訂版 アサーション・トレーニング』が取り上げられている。

 そんなわけで近いうちに読もうと思っているうちに、新書で入門書が出ていた。そこで価格もお手頃なこちらから読んでみることにした。
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リチャード・ワイズマン『運のいい人、悪い人』
運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則
リチャード ワイズマン,阿部 真理子,Richard Wiseman,矢羽野 薫

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 では、運のいい人の期待は、彼らの振る舞いにどのような影響を与えるだろうか。たとえば、仕事の面接できっとうまくいくと思っていったら、自信過剰になって、十分に準備しないかもしれない。面白いことに、私の研究ではそのような傾向は見られなかった。運のいい人の期待は、決断を生んでリスクの高い行動をさせるわけではない。そうではなく、前向きな期待が、自分の人生をコントロールしようという意欲につながる。自分が欲しいものを手に入れるために、たとえ可能性がごくわずかでも、挑戦しようと思わせるのだ。

リチャード・ワイズマン『運のいい人、悪い人』


『その科学が成功を決める』『超常現象の科学』と立て続けに読んで、どちらも興味深かったので、その前の作品も読んでみたくて探してきた。

 本書は、著者によって行われた人間の運不運についてのの調査研究をまとめたものである。調査は数年がかりで行われ、イギリスの多くの人が参加した大規模なもののよう。

 運のいい人と悪い人がいるというのは私たちが何も疑問に受け入れていることで、事実「運」というものが存在するかのように感じている。
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下條信輔『視覚の冒険』
視覚の冒険―イリュージョンから認知科学へ視覚の冒険―イリュージョンから認知科学へ
下條 信輔

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 今、「黒い小四角形」という予想のほうを「合理的」と書いたが、この予想を、もっともっと、疑問の余地がないくらいに決定的にすることもできる。たとえば、黒い四角形が規則的に配列された台紙を用意し、これに自分の手で灰色の円盤をていねいに乗せる。この場合「合理的な予想」とは、自分の直前の行動と記憶を信頼して「黒い小さい正方形」とする以外には、断じてありえない。しかしそれでも知覚の体験的レベルでは、四隅をのぞかせた大きい四角形が「見えてしまう」。認知・思考のレベルの合理的結論を、現象的な知覚の直接体験は臆面もなく裏切って見せる。思考・認知過程からの独立性、と私が呼んでいるのは、このような一面のことなのだ。

下條信輔『視覚の冒険』


 私は昔からイリュージョンを見るのが下手くそだった。ミュラー・リヤー錯視のような誰が見てもわかるものはともかく、少しコツがいるものになるとなかなか見えない。盛り上がる周囲をよそ目に、紙面とにらめっこになってしまうことがしばしばある。

 だから私は視覚の研究にどこかなじめないものを感じていた。しかし、そんな私でも左右二枚の画像を左右それぞれの目で見るようにして重ね合わせるステレオグラムは、子どものころ練習した甲斐もあって、比較的得意なのだ。

 この『視覚の冒険』は、『サブリミナル・マインド』や『サブリミナル・インパクト』と一般向けに心理学の成果を紹介した下條信輔さんが、ステレオグラムで読者を魅了しながら視覚研究の最前線を紹介しようと意図したもの。ステレオグラムなら話にもついていけるかもしれないと思って読んでみることにした。
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リチャード・ワイズマン『超常現象の科学』
超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか
リチャード・ワイズマン,木村 博江

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 心理学から言うと、スピリチュアリズムの設立はまさに天才的なアイディアだった。既存の教会は信仰の重要性を訴えて、合理主義の新勢力と戦ったが、スピリチュアリズムは宗教のあり方そのものを変えた。科学やテクノロジーにとり憑かれた時代に、スピリチュアリズムは人が死後も生き続ける証拠をもたらしたばかりか、愛する故人との交信を可能にしたのだ。ほかの宗教は死後の命をほとんど約束していない。かたやスピリチュアリズムは、可能性をたっぷりあたえた。それが理性と感情の両方に訴える力は絶大であり、二、三か月のあいだにこの新興宗教はアメリカ全土を席巻した。

リチャード・ワイズマン『超常現象の科学』


 4月の半ばごろだったと思うが、ふとつけたラジオから懐かしい音楽が聞こえてきた。何の曲なのか思い出せず、慌てて midomi を立ち上げる。「Heavenly Flight」、どうして思い出せなかったのか、ドラゴンクエスト3のラーミアの曲「おおぞらをとぶ」だった。

 すぎやまこういちさんがゲストのその番組をそのまま流していたら、すぎやまさんが最近読んでいる本として紹介していたのがこの『超常現象の科学だった。耳を傾けてみると、『その科学が成功を決める』のリチャード・ワイズマンの名前。というわけで、早速読んでみることにした。

 占い、幽体離脱、念力、霊媒師、幽霊、マインドコントロール、未来予知。摩訶不思議な体験談を語る人はごまんといる。そういった超常現象がどうして生じるのかを心理学の観点から迫っていくもの。
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