深海魚の水槽
読んだ本のメモなどを残していく予定です。
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須賀しのぶ 「桜の夢を見ている」
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 舞が終わったとき、ドミトリーは拍手も忘れていた。紫桜(ジーイン)は、嬉しそうに芙蓉を見ている。二人はなにごとか言葉を交わしあい、微笑んだ。その親しげで濃密な空気に、ドミトリーは胸がざわつくのを覚えた。
 それを察したかのように、紫桜の視線が、つい、と動く。黒い目が、ドミトリーを捕らえた。彼女は微笑んだ。あなたのために歌ったのよ。そう言いたげに、たしかに、ドミトリーだけに微笑んだ。

須賀しのぶ『芙蓉千里』
「桜の夢を見ている」より


 図書カードをもらったので、遅ればせながら角川文庫版の『芙蓉千里』を購入してきました。お目当てはもちろん単行本未収録の外伝。

「小説屋sari-sari」で連載されていたときは、「チェリョームハの咲くころ」というタイトルだったそうですが、文庫収録の際に「桜の夢を見ている」と改められています。

 物語の主人公は、フミとともに大陸に渡ってきた少女タエ。第二巻で結婚しヨーロッパへ渡ってしまったことが語られるだけになっていましたが、その事情が詳しく描かれています。
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須賀しのぶ『永遠の曠野 芙蓉千里3』
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「まあ、そんな顔をしては駄目」
 梅香はフミの頭をそっと撫でた。
「みんな、勘違いしているけれどね。恋っていうのは、幸せになるためのものじゃないのよ。その人がいない人生を歩むぐらいなら、彼と一緒に不幸になりたい。そう願う理不尽を、恋と呼ぶのよ」

須賀しのぶ『永遠の曠野 芙蓉千里3』


『芙蓉千里』『北の舞姫』に続くシリーズ完結作。真紅の花、少女、拳銃という装丁が今回も妖艶で素敵です。

 携帯サイト「小説屋Sari-Sari」で連載されていた本作。2巻分冊といううわさもあったが、ページ数はそれほど変わらず。ただ二段組になっている。

 連載版の評価がまちまちだったので近所の図書館に入るのを待っていたのだが、いっこうに所蔵されないので隣町まで足を運ぶことにした。
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横山光輝『水滸伝』
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鉄牛
少しは
こりたか

何が
……

お前の
短気が
いつも騒ぎを
起こしてる
んだ!

だがね
俺は
あんな現場を
黙って
見てられる
性格じゃ
ねえ

だから
こんな
所に
いるんだ

横山光輝『水滸伝4 激闘梁山泊軍の巻』


「捨て童子松平忠輝」を読んだついでに、横山光輝の「水滸伝」も読んでみることにした。OVA「ジャイアントロボ 地球が静止する日」に登場するキャラクターのデザインはここからきてるんだなと今さら知った。

 私は残念ながら原作の「水滸伝」は読んだことがなく、中学生のころに吉川英治の「新・水滸伝」を読んだきり。けれど魯智深や林冲、武松、李逵といった好漢の活躍は今でも印象深く残っており、そして潘金蓮の不義にはどきどきしたものです。

 吉川版は108の宿星が梁山泊に集うところで終わってしまう。しかし、原作ではその続きがあり、好漢がばたばた倒れていくというまさかの展開が待っているということでずっと気になっていた。
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横山光輝『捨て童子松平忠輝』
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しかし 家康どのや
秀忠どのを怒らせ
たら ただでは
すむまい

たいした違いは
ないさ どうせ
わしは嫌われ者の
鬼っ子だ

ふーん
わしなら
まいるだろうな

思いのままに
生きられたら
いつ死んでも
悔いはないさ

横山光輝『捨て童子松平忠輝 2』


「MikuMikuDance」はニコニコ動画のコンテンツの中でも好きなジャンルの一つで、個人で3Dアニメーションの製作ができて、しかもあふれるほどの作品を楽しむことができるということには常々驚かされています。

 ニコニコ動画で開催されているMMD杯は半年ごとのお祭りのようで楽しみの一つで、回を追うごとにあがるクオリティには目をみはるばかりです。
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水木しげる『敗走記』
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おまえは
二等兵だから
今回のことは
せめない

そのかわり

敵が上陸
してきたら
おまえが
まっさきに進むのだ

いいなァ
まっさきに
突撃する
のだぞ

まっさきに
なあ…… 

水木しげる『敗走記』


 NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」はやはりおもしろくて、両親が見ているうちに、しだいに私もはまってしまった。それから何年ぶりかにNHKの朝ドラだけは欠かさず見るようになっている。今はBSプレミアムで再放送もされていて、見始める前の回も補完できて助かっている。

 作中でも出てくるが、戦時中ラバウルのジャングルをさまよって奇跡的に味方に合流することができたのに、次の戦闘でまっさきに突撃するように上官に告げられるエピソードは衝撃的で、「敗走記」という作品のタイトルと一緒に強く印象に残っていた。

 ドラマ化の影響はたいしたもので、町の図書館にもいつのまにか収蔵されていることを知って、早速読んでみることにした。
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